T 古代〜近世の儒教 やや難

 1 オ  2 イ・オ  3 イ・ウ  4 オ  5 ア・イ
 6 エ  7 ウ  8 ア・エ  9 イ・ウ  10 オ

2は難問。イ・ウ・エは定番史料だが、ア・オは判別に苦しむ。4・5はやや難し
いが、素直に解けば正解できるだろう。9は一見難しいが消去法で解こう。儒学者
の系図を覚えておくのは当然である。ただでさえ儒学は早稲田頻出テーマなのだか
ら。


U 江戸幕府の対外政策 標準

 1 エ  2 オ  3 ア・エ  4 イ  5 ウ
 6 エ  7 イ・オ  8 イ  9 ウ  10 ウ

早稲田大学定番問題。1のCにある「定高仕法」は用語集には未掲載の用語だが、
2000年の商学部でもその実施時期が問われていた用語で、早稲田受験に必須用語と
して受験界では有名である。早稲田予備校では夏期講習の「テーマ別日本史」さら
に「早慶難関大の日本史」で扱った。


V 明治時代の議会政治 やや易

 1 オ  2 エ  3 オ  4 エ  5 ア
 6 ア  7 エ  8 ア  9 イ  10 ウ

2は消去法で解く。副島種臣が肥前出身であることを覚えているかどうかがポイン
ト。7は各政党の結成された時期を考えれば、イ・ウ・オが消去できる。一問一答
や用語集による単語暗記学習法でやってきた受験生には弱い所だろう。8元老が憲
法に規定されていないことは、正誤問題の定番で、早稲田予備校では通常授業はも
ちろん、冬期講習の「早慶難関大の日本史」で扱った。


W 連合国の戦争処理会談 

 1 エ  2 エ  3 オ  4 ウ  5 イ
 6 エ  7 ア  8 ア  9 ウ  10 ウ

英文の史料に度肝を抜かれたが、正誤問題の小問があるため、(3)以外の史料はあ
っさり判別できる。ただし、英文による空欄補充はやや難しい。そして、何よりも
史料(3)が超難問。1945年の国際連合憲章と思いきや1942年の「連合国共同宣言」
であるため、5は単純に「国際連合」が正解ではない。6も含めてあきらめるしか
ない。


特徴・その他
 国際教養学部にふさわしく、英文を使った問題に度肝を抜かれただろう。しかし
そのWで数問を落としても、他の問題でカバーすれば十分8割以上を正解できる問
題である。他学部の過去問研究で早稲田大学の傾向をつかみ、要領よく学習してい
れば、9割取ることも可能であった。「新設学部だからなんの対策もできない」と
いうのは大間違いである。

ひとこと
 TとWにやや難しい問題がありますが、Uなどは早稲田では定番問題でしたね。
リード文の冒頭を見ただけで、「ニヤリ」できたでしょうか。もう少し難しい問題
にしてほしく思いました。志筑忠雄は一体、いつまで出続けるのでしょうか。それ
にしても「さすが国際教養学部」でしたね。英文による史料問題とは! 嫌な汗を
かきましたね。僕もヒヤヒヤしながら、小問の正誤問題で史料を判別していきまし
た。もっとも、史料(3)はとても判別できず、「the United Nations」などで撃沈
しましたが。どうにも正解できない問題です。まさか日本史受験で英語が必要な時
代が来るとは思いませんでしたよ。国際教養学部に受かるような人は、読解して解
けるものなのでしょうか。ご報告をお待ちしています。

追記
 早稲田大学の過去の出題データと照らし合わせてみたところ、ある特定学部から
の類似問題が非常に多く出されていました。学部名は伏せさせていただきますが、
決して法学部などではありません。真実は、授業でお伝えします。
T 旧石器〜弥生時代 やや易

 1 イ  2 ウ  3 土器  4 進化論  5 銅鐸

2のイ(後氷期)は縄文時代中期〜弥生時代初期をさすが、それがわからなくても素
直に正解できるだろう。5は加茂岩倉遺跡を学習していると解きやすいが、そうで
なくても「日本独特の祭器」から導き出そう。ちなみに「武器形青銅製品」は言う
までもなく、銅剣をさす。


U 平安前期の政治と文化 標準

 1 山背(国) ※解答用紙には「国」と書いてある
 2 イ・エ  3 エ  4 光孝天皇  5 阿衡
 6 御霊(信仰) ※解答用紙には「信仰」と書いてある

2はエの判別が難しい。王羲之の書がもたらされたのは嵯峨天皇の時代より前。奈
良時代に光明皇后が、王羲之の書にならって書いた『楽毅論』が正倉院にのこって
いる。この問題はウ・オを正文と判別して消去法で解くべきだろう。3は出題率か
ら考えるとイの道康親王が難しい。これがわかれば消去法で解ける。承和の変の時
にはすでに淳和天皇はこの世にいない。


V 中世の自然災害と飢饉 やや易

 1 イ  2 二毛作  3 道理
 4 北条時房  5 イ  6 土民  7 ウ

1は浅間山が長野県と群馬県にまたがることを知っていれば解ける。5寛喜の大飢
饉は、近年よく出題されるようになった用語。確実に正解すべき。6は、『樵談治
要』に応仁の乱の頃の「足軽の活躍」が書かれていることを思い出そう。「足かる
は、超過したる悪党也」のフレーズがあまりに有名である。ここから15世紀後半の
書と判別できる。日本史を単なる用語暗記教科と考えている人には厳しい問題だろ
う。


W 江戸時代の政治と外交 

 1 イ  2 改易  3 イ・オ  4 上げ米
 5 アヘン戦争  6 ア・エ  7 大政奉還

1のイの「禁中並公家諸法度」の最初に「学問」に関する規定があるのは、史料問
題などで頻出事項。一発で正文と選べる。3のイは老中田沼意次、オは肥前藩主鍋
島直正による政策。6の「第2次長州征討」は1865年に勅許が出され、翌1866年に
戦闘が開始された。リード文の最後に「この戦争から1年後…」という文章がある
ので、問題となっているのが1866年だとわかりやすい。


X 明治時代の政治と外交 

 1 オ  2 日朝修好条規  3 甲午農民戦争
 4 オ  5 陸奥宗光  6 憲政党  7 文官任用令
 8 ウ  9 立憲政友会  10 ア

1のウは「知事」ではなく「県令」。4のオの「日英通商航海条約の締結」は日清
戦争開戦直前。8のウは「非現役の軍部大臣が登場」が誤り。もっとも、それを知
らなくても消去法で十分正解できる。完答しかあり得ない大問である。


Y 平安〜鎌倉時代の彫刻・江戸時代の絵画 やや易

 1 鳳凰堂  2 定朝  3 運慶  4 与謝蕪村  5 エ

5はエとオで悩む。池大雅の生没年は1723〜1776年なのに対し、オの「歌川広重」
の生没年は1797〜1858年である。これ以外の問題はあまりにも易しすぎる問題であ
る。


特徴・その他
 早稲田大学の入試問題としては、全体的に非常に易しい問題であった。拍子抜け
だった受験生も多いだろう。正解率が9割を越えることもあったと思われる。昨年
度に出題された絵画作品の写真問題はなかったが、Yで美術作品を扱った大問が出
された。

ひとこと
 問題があまりにも簡単で、「こんなんじゃ日本史がんばった人が報われないよ!」
と叫んでしまいました。Wの問2も、ただ「改易」が答えじゃあ、がっくりですよ。
これで8割切るようでは、相当ヤバイです。っていうか、相当英語ができなきゃア
ウトです。これで気を抜かず、緊張をもってこの後に続く他学部の入試に挑んでく
ださいね。
T 旧石器〜古墳時代 標準

 問1 イ  問2 オ  問3 ア  問4 エ  問5 ウ
 問6 ウ  問7 イ  問8 イ  問9 オ  問10 エ
 問11 カ  問12 ア  問13 オ  問14 エ  問15 ア

問2は難問と言えるが、それ以外はこの時代の理解度を問う良問ばかりである。問
3・6・14・15などは、過去に早稲田の他学部で出題されてきた問題で、要領よく
学習していれば、他の受験生に点差を付けることもできただろう。問5は「白歯」
ではなく、門歯・犬歯。問14は郡評論争から解く。「郡」が使われるようになった
のは大宝律令施行後と考えられている。問15は班田実施の時期を理解していなけれ
ば解けない。670年の庚午年籍の段階では、班田制はまだ確立していない。飛鳥浄
御原令が施行され、690年に庚寅年籍が作られてから確立したのである。歴史なの
だから、時期が肝心なのは言うまでもない。


U 貞永式目・世阿弥・蘭学事始 やや易

 問1 オ  問2 エ  問3 イ  問4 ウ  問5 ア
 問6 エ  問7 ウ  問8 ア  問9 イ  問10 エ
 問11 オ  問12 ウ  問13 イ  問14 エ

早稲田入試では定番の問題であった。3つの史料のうち、史料(2)だけは未見史料
(見たことのない史料)だっただろう。史料(3)などは、早稲田大を始め、多数の大
学でかなり出題されている有名史料である。問10・11などは即答してほしい。一般
には、問3・5・8・9などが難しく感じられたかもしれないが、どれも各大学で
結構出題されている問題である。問5は今年度の第一文学部でも出題されていた。


V 江戸時代後期の地域文化 やや易

 問1 エ  問2 オ  問3 ウ  問4 イ  問5 エ
 問6 ア  問7 イ・エ

今年はセンター試験(日本史B)で文化史からの出題が4割を超えたこともあり、あ
わてて文化史対策をとった受験生が多かったようだ。ただ、この問題のように地名
まで意識して学習していただろうか。入試一般では、問3・4以外は結構出題され
ている用語で、しかも鈴木牧之・菅江真澄・良寛などは、地名から正解を導き出さ
なければならないことがよくある。それにもかかわらず、地名をおろそかにする受
験生や教師がいる。このため点差をつけることができるのである。入試に必要な知
識が何なのかを見極めて学習することの大切さを痛感してほしい。


W 中世〜現代の沖縄 標準

 問1 イ  問2 ア・オ  問3 2−イ 3−ウ 4−エ
 問4 ウ  問5 ア  問6 ア  問7 ウ  問8 エ
 問9 オ  問10 イ  問11 エ・オ

これもまた早稲田大学定番の問題であった。問2のオは、16世紀の中ごろ、大内氏
が滅亡して勘合貿易が断絶し、倭寇が再びさかんになったことを考えて正文と判断
する。倭寇は海賊行為だけでなく貿易もしていたため、それが琉球の貿易に影響を
与えただろう。さらにこうした思考に、1543年の種子島漂着の船が倭寇の頭目王直
の船だったことも思いめぐらすと、より解答しやすいだろう。持っている知識から
論理的思考で解答する能力を養いたい。ちなみに、問3の「冊封使」などに驚いた
受験生もいるかもしれないが、99年の商学部で出題されている。問7も類似問題が
同じ商学部で出されている。これらの事項に限らず、沖縄史はよく出題されるテー
マ問題なので、異色なものと考えずに学習しておくべきであった。


X 民本主義・大逆事件・天皇機関説・日本改造法案大綱 標準

 問1 ウ  問2 イ  問3 エ・オ  問4 ア
 問5 イ・ウ  問6 エ・オ  問7 ア  問8 ウ・カ
 問9 イ・ウ  問10 エ  問11 オ・カ  問12 ア
 問13 オ  問14 イ・エ  問15 ア

史料B・Dはあまり見かけないものだが、後者は99年に教育学部で出題されていた。
もっとも、今回はいくつかの小問から著者が北一輝であることを推測できただろう。
ただし、その著述時期は難しかっただろう。問15はやや難しい。逆に、正誤問題は
正しく理解していれば解ける問題ばかりである。問8の「管野スガ」はともかく、
問6の「時代閉塞の現状」なども意外と出る用語で、早稲田でも2002年に教育学部
で出題されていた。


特徴・その他
 今年から入試科目に日本史が追加された学部であったが、Tは第一文学部のTと
非常に似通っており、学部は違っても同じ教授が問題を作っていることが推測でき
る。しかも、今年度は商学部でも類似問題が出題された。だからといって、この人
間科学部の問題全体が商学部だけに似ているわけではない。過去に教育学部で出題
されていたものも目立つし、さらに他学部で出題されていたものもちらほら見える。
また、当然のことだが、過去問ばかりで作問されているわけでもない。来年度への
対策としては、教科書や参考書をただ読むのではなく、常に入試ではどう出題され
るのかを意識した学習をすすめるべきである。

ひとこと
 もう、あちこちニヤリだらけじゃないですか!僕が受験生だったら、会場で大騒
ぎですよ。明日もこうなるといいのですが、まだまだ復習を続けてください。なん
てこと言ってたら、「私もかなりニヤリ頂きました(`∀´)石黒先生がおっしゃっ
ていた『皆が出来なくて自分が出来る問題があった瞬間の喜び』を実感した思いで
す。」というメールをいただきました。正解率82%だそうです。
T 漢字の歴史 標準

 問1 漢字  問2 片仮名  問3 a−ウ b−カ  問4 オ
 問5 エ  問6 エ  問7 ウ  問8 オ

問3のbは、用語集では江田船山古墳出土鉄刀とあるが、入試では江田船山古墳出
土大刀と出題されることが多く、今回もそうだった。ちなみに「太刀」ではなく「
大刀」である。また、問4・5はやや難しい。ただし、稲荷山古墳出土鉄剣などの
金石文に関する問題は早稲田ではよく出題されている。問5も類題が早稲田で出さ
れたことがある。問7のウ「貧窮問答歌」が掲載されているのは『万葉集』。問8
は消去法で絞り込む。


U 読史余論 標準

 問1 エ  問2 イ  問3 ア  問4 ウ
 問5 オ  問6 建武式目  問7 読史余論

空欄2には義時が入る。北条氏は平氏出身なので、史料では「平義時」となること
がある。定番問題だが、備えていなかった受験生は戸惑っただろう。そして空欄3
には「承久」が入り、問1は後鳥羽上皇の著作を選ぶわけである。消去法で考える
としてもやや難しかっただろう。『世俗浅深秘抄』は、早稲田予備校では「史料・
文化の日本史」で扱った。問4は安土城と臨済宗を条件に消去法で解く。


V 近世の諸産業 標準

 問1 村請新田  問2 網元  問3 俵物
 問4 麻  問5 エ  問6 イ  問7 ア・オ
 問8 ア  問9 オ  問10 ア・エ

近世の農業は早稲田では定番の出題であったが、今回はそれが易しく、拍子抜けで
あった。問7はすべて選ばなければならないところがやや難しいとも言えるが、ア
・オ以外は頻出の豪商である。問10はイ・エの判別が難しかっただろう。エの院内
銀山は秋田藩営の銀山であった。阿仁銅山とともに覚えておくべきである。ちなみ
に、アの別子銅山が住友家経営の銅山であることは言うまでもない。


W 太平洋戦争 やや難

 問1 a−皇民化 b−ひめゆり隊 c−御前会議
 問2 イ  問3 ア  問4 エ  問5 ウ  問6 ア
 問7 イ・ウ  問8 ア  問9 イ  問10 オ

問2は推測で解けるが、問4・7・9は非常に難しい。ほとんどの受験生が正解で
きなかったと思われる。ただし、問5・6・10などは要領よくポイントをつかんで
学習していれば正解できるし、さらに問8は過去の早稲田大の出題データから出題
が完全に予想できていた問題であった。直前講習で話した「大和」を覚えていた人
は、受験会場でうれし泣きできただろう。


X 石橋湛山・幸徳秋水 

 問1 石橋湛山  問2 幸徳秋水  問3 エ
 問4 オ  問5 ア

史料A・Cは有名史料。とくに史料Aは、早稲田大では出されて当然なもので(理
由はここでは伏せます)、今回は筆者と掲載雑誌が問われているだけの非常に易し
い問題でがっかりした。


特徴・その他
 全体的には標準レベルの問題だが、Wにかなり難しい問題が3つある。過去問を
解いていてこういう問題に出会った時に、その出題率の低さを知らないまま、一生
懸命習得しようとしている受験生がいる。実に脳味噌の無駄遣いである。そんなと
ころに時間を割いているならば英語をやるべきである。しかし一方で、入試で意外
と出題されているにもかかわらず、それを知らないがために、ひとり勝手に「こん
なの出ないよ」と決めつけて覚えない受験生や教師がいる。これまた実にもったい
ない話である。一見難しく見えるこの教育学部の問題も、十分8割以上正解できる。

ひとこと
 稲荷山鉄剣と江田大刀には笑いました。やっぱり「鉄刀」じゃなくて「大刀」っ
て出るじゃないか!って。Uの問1の「せぞくせんしんひしょう」は難問ですが、
ワセヨビの「史料・文化」やS.P.Sの「完成日本史」でやっています。受講して
いた人は11番ページにあるはずです。問4は消去法で解けます。また、問6では「
法令」と聞かれているのが気になりますが、「中原是円らに諮問」とあるので素直
に答えましょう。そして、Vは予想通りの近世農業でした。切添新田が問われなか
ったのが残念です。Wは問4・7・9は難問なのであきらめましょう。そして、ヤ
マト…じゃなかった、大和。泣きましたか? もちろん、うれし泣きですよ。

追記
 この解答速報をアップした日の深夜にT君からメールが届きました。ここにその
一部を抜粋します。

 今日一番ビックリしたのが、終ったあとの周りの受験生の会話でした。「おまえ
Xの問1何にした〜?」「あ〜あれ全然わかんねえよ。俺は幣原喜重郎にした!」
はあ〜?!じゃあ彼は問3で一体なにを選んだのでしょうか??「おれは下に東洋
経済新報があったから、推測で石橋湛山にしといた。」正解な分だけ彼はましです
が、「推測」の意味が全く分かりません。即答して然るべき問題のはずです。まる
で徳川家康を書くが如く石橋湛山と書きましたよ(笑)!勢い余って余白に「小日
本主義」とかきたいくらいでした(笑)。試験終了後、M田と二人で馬鹿にしあい
ました(笑)。勿論、二人ともXは完答です。あと網元が分からなかったというの
もよく耳にしました。・・・・・??

 これを読んで僕はかなり笑いました。今、これを書きながら読み返してみてもま
た笑ってしまいます。電車の中ですけど。ちなみに、解答速報を作るにあたってW
さんに問題をいただいたのですが、彼女は石橋湛山の問題の脇にほんとに「小日本
主ギ」(原文のママ)と書いています。この人たちの余裕ぶりを見習いましょう。
T 古事記序文・中世の連歌 標準

 A 1 イ  2 ウ  3 エ  4 ア
   5 オ  6 イ  7 オ  8 ウ
 B 1 蓄銭叙位令  2 応安新式  3 閑吟集

史料(1)は『古事記』序文で、当然対策済みの有名史料。和同開珎が鋳造された708
年が和銅改元の年だと知っていると解きやすい。文章(2)に関する問題では、A8
だけが難問。これ以外は正解したい。A6は『水無瀬三吟百韻』が宗祇・宗長・肖
柏の3人によるものだと覚えていると解きやすい。


U 江戸幕府の支配体制 やや易

 A 1 い・え  2 お  3 お  4 う
   5 え  6 う  7 あ  8 え  9 い
 B α 評定所  β 紫衣  γ 富永仲基

A6は「聖堂」が選択肢にないので、昌平坂学問所の別名である昌平黌を選ぶ。「
昌平黌」を記述問題で出題した2000年慶應大(商)の問題よりは楽だろう。A8は「
安政の大地震」がヒント。「そんなこと知るわけない」と怒る人は94年青山学院大
(経)の問題を見たことがない人だろう。そちらは記述問題であった。早稲田予備校
やS.P.Sの文化史の授業で触れている。A9は史料中の「浅間山」がヒント。B
βの史料は、超頻出史料である禁中並公家諸法度。


V 近代の新聞 やや難

 A 1 ロ  2 イ  3 ニ  4 ハ
   5 ニ  6 イ  7 イ  8 ロ  9 ニ
 B a 末広鉄腸  b 国民新聞  c 東京経済雑誌

A2・3・5は難問。A4・6・8とBaはやや難しいが、他大学の出題状況など
をもとに丁寧に学習していれば解ける問題。そして残りは基本問題である。それぞ
れの小問の重要度が、自分の認識とズレている場合は、一般的な入試出題状況を無
視して学習をしていたことになる。もっとポイントをおさえて学習するべきである。
現実には、この大問で9問正解(正解率75%)した受験生(早稲田予備校のY君)も存
在するのだから。


W 民本主義・普選運動 標準

 A 1 ハ  2 イ・ニ  3 ニ  4 イ
   5 ロ  6 ロ  7 ロ  8 ニ
 B @ 民本主義  A 原敬  B 治安維持法

史料(1)は頻出史料。史料(2)(3)は頻出ではないが、難関大向けには備えておき
たい史料である。(2)は原敬、(3)は加藤高明によるものである。A1は「学生団
体」が問われているので「黎明会」ではない。A2は難問。イ(松方正義)・ロ(西
郷従道)が没した時期に悩まされる。それにしても、A6・8を始め定番問題が多
く、平均点の高そうな大問であった。


X 田中角栄内閣の頃の経済状況 標準

 田中角栄首相が高度経済成長政策を続けて「日本列島改造」をかかげると、土地
 投機をまねき、さらに1973年、第四次中東戦争を機に第1次石油危機がおこって
 原油価格が高騰すると、日本経済は大混乱して狂乱物価をひきおこした。一方、
 同年に変動相場制に移行すると円高傾向で輸出が減少し、翌年はマイナス成長と
 なって高度成長は終わった。(159字)

本学部では、戦後史からの論述問題が3年連続で出題された。備えておいた受験生
も多かったと思われる。語群から適切な用語を選ぶだけでなく、それ以外の重要単
語をバランスよく配して解答を作成しよう。一部だけ細かく書いても得点にはなら
ない。


特徴・その他
 いくつかの難問が出題されているが、それ以外は「史料を読解させる問題」や「
ひねった問題」が少なく、年々易しくなっているように思われる。もっとも、Tや
Vの文化史分野の出題は、学習深度の違いで点差がついただろう。また、定番化し
つつあるXの戦後の論述問題の出来・不出来も、同じく合否を分けただろう。政治
経済学部を受験するなら、近現代の論述問題対策をしておくことは必須である。正
解率75%程度をめざす学習では、結局本番で7割に達しない。合格ラインを超える
ためには、早稲田大入試の傾向を意識しながら、まんべんなく学習することが大切
である。

ひとこと
 早稲田予備校東京本校と河合塾藤沢現役館で行われた、早慶向けの最終講座で政
治経済学部の論述問題を予想しました。そして、解答は受講生にだけサイトの隠し
ページやプリントで伝えていたのです。ただ、「高度経済成長」や「佐藤栄作内閣」
までは予想していても、「田中角栄内閣の経済」というのは予想していなかったの
です。「あまり手を広げすぎてもなあ…」と僕が消極的だったことと、1月いっぱ
いまでの授業で燃え尽きてしまって気が抜けていたことが原因です。この失敗から
得た教訓は二つです。@予想なんてまだまだ甘い! A最後の最後まで気を抜くな!
これからも精進したいと思います。
T 古代・中世の仏教 

 1 蘇我入鹿  2 お  3 白鳳  4 あ・え  5 道鏡
 6 あ・う  7 大日如来  8 え  9 無学祖元  10 十刹

ひねりも何もない頻出問題ばかりである。記述問題の漢字や、選択問題の解答個数
に注意しよう。


U 江戸幕府の支配体制 やや易

 1 う  2 大名知行(制) ※解答用紙には「制」と書いてある
 3 参勤  4 石高  5 お手伝い(御手伝普請)
 6 お  7 う  8 あ  9 い  10 え

早稲田大定番のテーマからの出題である。2の「大名知行制」はめったに記述問題
では出されない用語なので難しかったかもしれないが、早稲田なら正解すべきだろ
う。


V 昭和戦前期の政治 標準

 1 C→@→B→A  2 う  3 皇道派
 4 え  5 大政翼賛会  6 国家総動員法
 7 う  8 幣原喜重郎  9 犬養毅  10 あ

史料Cの若槻内閣が、第1次の方か第2次の方かを正しく判別しないと、7・9で
間違えてしまう。「総理大臣と安達内相と意見不一致」から第2次内閣と導き出す。
その点がやや難しいが、残る問題はどれも易しい。10は推測で解こう。


W 近現代の社会問題 やや難

 1 あ  2 う  3治安警察法  4 田中正造
 5 あ  6 川俣(事件) ※解答用紙には「事件」と書いてある  7 え
 8 公害対策基本法・経済調和(条項) ※解答用紙には「条項」と書いてある
 9 あ  10 環境基本法

この大問もまた早稲田大定番の分野からの出題である。ただ、公害に関する9・10
は非常に難しかった。1〜5は標準、6・7・8はやや難レベルなので誤解しない
ようにしてほしい。8は「経済調和条項」が難しく感じられただろうが、緻密に過
去問分析をしていれば十分予想できた問題であった。早稲田予備校やS.P.Sでは、
冬期講習の早慶向け講座で扱っていた。


特徴・その他
 例年、法学部は正誤問題が少なめで単純な問題が多いが、今年は、Wの一部を除
けば、かなり易しくなっている。9割正解することも可能だろう。来年も同じ傾向
とは思えないので、これで気を抜いたりせずに学習してほしい。そして、この学部
でもまた早稲田大の定番のテーマが出題されているという事実に注目しよう。

ひとこと
 ほんとに早稲田って××が好きですね(すみません、××の部分は授業でお話し
します)。「経済調和条項」を見た時には、ひとり「おーっ!」って叫んじゃいま
したよ。ちなみに、このサイトのスタッフのM君も「とくに法学部での公害に関す
る問題は鼻血でましたよ(笑)」なんて言ってますが。2003年度から夏期・冬期の
早慶向けテキストを、このM君の協力のもと、ひと工夫して作っているわけですが、
その苦労が報われて喜んでいます。
1 原始・古代の信仰 標準

 問A 2  問B 3  問C 6  問D 4  問E 5
 問F 2  問G 1  問H 4  問I 3  問J 5

問Cは3の石の「模造品」や5の「忌部氏」がめったに出ないうえに、「適当なも
のが無ければ6」という消去法も使えない問題であるため難問。問Dは4の「北方
系の仏教」というのが難しい。残る正誤問題は丁寧な学習をしていればどれも解け
る問題である。ポイントをつかんだ学習と、このレベルの正誤問題演習をどれだけ
していたかが勝負の分かれ目だろう。


2 承久の乱・自治都市堺 標準

 問A 4  問B 5  問C 2  問D 3  問E 1
 問F 3  問G 5  問H 2  問I 1  問J 2

問Dは3の「国地頭」が難しく感じられるだろうが、これが理解できなかった人は、
守護・地頭の設置について正しく理解していないということになる。1185年に認め
られた反別5升の兵粮米徴収権のことを、その後の展開も含めてわかっているだろ
うか。もっとも、しっかり学習していた人は、逆に4の文章の正誤がわかりにくく
なるため、3・4で悩むことにもなった。4は山川出版の教科書の本文通りであっ
た。


3 寛政の改革 標準

 問A 4  問B 2  問C 3  問D 1  問E 2・5
 問F 3  問G 2  問H 2  問I 4  問J 1

問Eは2の「蔵米」が「俸禄米(禄米)とすべきじゃないか」と悩ませるためやや難
しい。また、問Aや問Jなどでつまずいた人は、用語暗記ばかりにとらわれて、そ
の時期をおさえることをおろそかにしている人である。歴史教科なのだから、時期
が大切なのは言うまでもない。そして、時期がわかれば単なる用語選択問題でも正
解率が飛躍的に高くなる。それは、そのレベルに達した人だけが知っている世界で
ある。


4 明治前期の政治 標準

 問A 1・5  問B 2・4  問C 1・3
 問D 5  問E 3・4  問F 2・4  問G 1・3
 問H 3・5  問I 1・4  問J 2・5

「2つマークせよ」という問題では、両方を正解して初めて得点となる。そのため
にいくつも間違えてしまった受験生が多いと思われる。しかし、一つ一つの正誤文
はそれほど難しくはなく、また、消去法を使うこともできるので、丁寧に解いてい
けば十分8割以上正解することも可能であった。


5 近代の経済 標準

 問A 2・5  問B 3・4  問C 1・4
 問D 2・5  問E 1・3
 問F T 金輸出再禁止を断行し、円為替相場の下落を利用して輸出を増大させ
      た。(33字)
    U 赤字国債の発行による軍事費中心のインフレ政策をとったため、重化
      学工業が発達した。(40字)

問Bはやや難しいが、日露戦後という時期を意識しながら解けば、5つとも正誤を
判別できる。単に用語暗記だけでは解けない、経済の推移を理解しているかを問う
良問である。問Dの5は正誤判別が難しい。鈴木商店は大戦景気で急成長した「成
金」の代表で、海運業を主力にしていたが、明治前期に砂糖商から始まった総合商
社であるため、「船成金」ではない。この点が正誤問題になることはめずらしい。


6 満州事変・戦後の労働運動 標準

 問A 青天白日  問B 柳条湖  問C 執政  問D 満鉄付属地
 問E 36  問F 団体交渉権  問G 日本労働組合総同盟
 問H 201  問I 反共  問J 皇居前

問A・Jは難問。受験生の中に正解した人はいると思われるが、どちらもめったに
出題されない用語である。これらを正解したこと自体はすばらしいが、今後の入試
のためには、他の標準レベルの問題を解けるようにすることの方が重要である。めっ
たに出題されない問題に一喜一憂するのではなく、何度も出題されるものを確実に
習得しよう。同じことは過去問を解く時にも言えることである。ポイントをつかん
だ学習をすべきである。


特徴・その他
 正誤問題の多さが商学部の難しいところだが、一方で、それが解けるようになれ
ば、こんなにおいしい学部はない。日本史が得意な生徒が合格しやすい学部である。
ところで日本史の点数が今一つ伸びない人の原因に、「用語は覚えているがその時
期がわかっていない」というのがある。大問3の講評でも書いているが、あらゆる
歴史用語はその時期がわかっていないと意味がない。そのためには、単なる教科書
学習や一問一答学習ではなく、ノートまとめによる学習がベストである。

ひとこと
 今年の商学部の成果はどうだったのでしょう。あちこちで「商学部は難しい」と
言われているわりには、受講生の中で高得点をはじき出している人がいて、その落
差を目にするたびにこっそりニヤリしている学部です。今年もそんなオイシイ思い
を味わえたのでしょうか。正直、「青天白日旗」や「皇居前広場」にはやられまし
たが、軍縮条約の失効年を初め、あちこちで「授業で強調しといて良かったー」っ
て思えました。もっとも、通常授業で「早稲田で出るよ」って言うくらいじゃ、誰
も「ズバリ的中」とは言ってくれませんが…。これから授業を受ける人は「○○大
学で出るよ」に注意してくださいね。
T 鑑真・後三条天皇 標準

 問1 ハ  問2 ニ  問3 イ  問4 ハ  問5 律宗
 問6 ホ  問7 ニ  問8 ハ  問9 興福寺  問10 ロ

問2はハとニで悩む。鑑真が来日した時の天皇は孝謙天皇だが、まっさきに受戒し
たのは聖武上皇で、原文は「聖武」となっている。聖武天皇が受戒したことは結構
出題されているので覚えておこう。


U 神皇正統記 

 問1 ホ  問2 ハ  問3 ニ  問4 ニ  問5 梅松論
 問6 ハ  問7 義朝  問8 ロ  問9 ニ  問10 ハ

問1・4は難問。選択肢に似通った語句が並んでいるため、非常に難しくなってい
る。問1はまだしも、問4はいくつかの日本史辞典にあたっても正解を確定できな
い。問2・3も、一般の受験生の知識としては、推測で解くしかない。


V 江戸時代の儒学・経世思想 標準

 問1 ホ  問2 太宰春台  問3 懐徳堂
 問4 ハ  問5 ニ  問6 ハ  問7 ハ
 問8 ニ  問9 ホ  問10 田口卯吉

問1は難問。一般的な大学入試レベルとしては、ニとホの2択にまで絞り込めれば
十分である。この問題に一喜一憂するのではなく、残りの標準問題を完答できるよ
うに学習をすすめることが大切である。問7の「横井小楠」は、問8の「佐久間象
山」を解答した後に考えると正解しやすい。そうした学習になっているだろうか。


W 大正・昭和前期の外交 

 問1 (対華)二十一カ条要求  問2 ロ
 問3 加藤高明  問4 ハ  問5 イ
 問6 ハ ※大学側から発表されたところによると、「設問に誤解をまねく表現があった
        ため、受験者全員に得点が与えられる」とのことです。
 問7 ニ  問8 牧野伸顕  問9 ニ  問10 ハ

早稲田大ではかなり頻出テーマからの出題であるが、問4・7・8が難しい。問4
はハのみ時期がずれている。問6は全員正解とするとのことだが、ハが日比谷焼打
ち事件をさしていることくらいは読み取ってあげたい。問7は、ホが1940年に樹立
された南京政府の話かと思えば、そうではなく、異常な難問となっている。問4と
もあわせて、これらの問題は覚えたとしても今後、大学入試においては何の役にも
立たないだろう。


特徴・その他
 ここ数年、社会科学部は早稲田大の中ではもっとも難しい問題となっている。今
年は他学部の多くが易しくなったせいで、よりその度合いが強くなっている。日本
史が得意な受験生でも解けない問題が多いため、「日本史で稼ぐ」ことはできない
だろう。日本史でそれなりの得点をし、英語・国語で合否が決まる学部である。日
本史の出題者は「英国のできる学生を集めたい」とでも思っているのだろうか。ま
さかそんなわけはないだろうが、日本史の苦手な受験生が受かりやすいのが実態で
ある。早くそれに気づいてほしい。

ひとこと
 最初にひとこと、異常です。難しすぎます。この社会科学部だけのために解答速
報を作るのだけで二晩もかかりました。駿台や河合塾などが解答速報を出さないわ
けですよ。もちろん、早稲田の中では社学の後には日本史入試はないので、即日解
答速報をする意味はなく、僕自身もそうしませんでしたが。でも、早稲田予備校が
「解答速報を作れ」とおっしゃるのですよ。はあ。それゆえ必死になって作りまし
た。同じく解答速報を出している代ゼミの先生が同士に感じられるほどです。もち
ろん、どなたなのかは存じませんが。そして、難問を調べるために相当な労力を費
やしてしまったので、詳しい解説をここに書くのはあまりにももったいなく、やめ
ておきます。直接質問に来た人にだけ、正誤判別の観点と解答の導き出し方をお教
えします。





最後に
 それにしても、早稲田の日本史出題学部が増えると、日本史が得意な受験生は大 喜びでしょうが、僕は死んでしまいますよ。大手予備校がチームを組んで解答速報 を作る一方で、こちらは一人で作っているわけですから。でも、サイトのカウンタ は回り続けていて、生徒からの無言の圧力がのしかかる…。「いしぐろぉ、早く解 答アップしろよ」って。そうして深夜までかかって問題を解いて、明け方サイトに アップするなんてことを続けていると、どうしてもミスが出てしまいます。僕もス タッフも。大汗かきながらあわてて修正なんてこともあって、はっきり言って限界 です。って、嘆きモードになってしまいました。すみません。でも、入試問題分析 をしたいのは早稲田だけじゃないっつーの! データ入力待ちの入試問題が溜まり に溜まっています。こればっかりは影武者にやってもらうわけにはいかないのです よ。もう一人、自分がいてほしい…。(2004/ 2/28)