比較して解く、難関レベルの正誤問題

2010年の早稲田大文学部で出題された正誤問題について、
質問をいただきました。
まずは、みなさんも問題を解いてみてください。

縄文文化と弥生文化との比較で,正しい記述はどれか。1つ選びなさい。
ア 縄文文化は新石器時代の文化で,弥生文化は青銅器時代の文化である。
イ 縄文文化はほぼ日本列島全体に分布するのに対し,弥生文化は東北地方から琉球諸島まで分布する。
ウ 縄文人は狩猟・漁労を主な生業として環濠集落に住み,弥生人は水稲耕作を主な生業として高地性集落や環状集落に暮らした。
エ 縄文社会には,まったく階層差はなかったが,弥生社会では身分秩序が発達した。
オ 弥生時代になると,縄文時代には見られなかった小国が形成され,金属製武器を伴う集団間の戦いが始まった。


<Mさん>
今年から早稲田予備校高卒生の方でお世話になっております。先週の授業を受けて、改めて自分の去年の日本史に対する考えの甘さを知り、今年からの自分の姿勢を考えさせられました。今年からは石黒先生を信じて頑張っていきたいと思っています。今日は先週の授業から出来る範囲で早稲田大学の過去問を解いていて疑問に思ったことを質問させて頂きたくメールをさせて頂きました。2010年度早稲田大学文学部の問題からです。
縄文文化と弥生文化との比較で、正しい記述はどれか。1つ選びなさい。
という問題で
縄文社会にはまったく階層差はなかったが、弥生社会では身分秩序が発達した。
というのが間違えの選択肢になっていたんですが、縄文社会にも階層差があったのでしょうか?自分は弥生時代の高床倉庫が出てきてから戦いが始まり、身分階層が発生したものだと認識していました。予備校の授業が始まったばかりでご多用中申し訳ありませんが、ご返事を頂けたら幸いです。

<石黒>
まず、こちらから質問です。
その正誤問題は、正文を選ばせるものでしたが、
選択肢オの
「弥生時代になると,縄文時代には見られなかった小国が形成され,金属製武器を伴う集団間の戦いが始まった。」
の正誤は、どう判別しましたか?

<Mさん>
お返事ありがとうございます。
オは頭の中に瀬戸内の銅剣が出てきたので最初に正しいと考えました。
ですがエを間違えという判断がなかなか出来なかったので
質問させて頂きました。

<石黒>
なるほど。オを正文だと思えたのなら、
「縄文社会には,まったく階層差はなかったが,弥生社会では身分秩序が発達した。」
とくらべて、どちらがより正しいかを考えてください。
逆に、どちらにツッコミ要素があるかを考えるのでもかまいません。
そして、正誤問題で「まったく」とか「すべて」が出てきたら、
疑ってかかるのは基本なのです。
授業では説明しませんでしたが、巨大な集落である三内丸山遺跡では、
階層差の存在を伺わせる遺物も出土しているのです。
早稲田は考古学に関する問題で、
最新の知識を必要とする出題が結構あるので注意しましょう。
ちなみに、瀬戸内の銅剣は青銅製祭器なので、
「金属製武器」ではありませんよ。

<Mさん>
ありがとうございます。瀬戸内海の銅剣は2種類あって1つは戦闘用でもう1つは祭のためのものだと勘違いして覚えていました。これからは「全て」などには疑いながら取り掛かります。ブログは是非とも載せて下さい。自分は基礎すらも危うい状況ですが、一生懸命頑張りますので1年間よろしくお願いいたします。ご多用中本当にありがとうございました。

<石黒>
銅剣には、細形銅剣と平形銅剣の2種類があったことを、
知っているのでしょうか?
それなら確かに細形銅剣の方は武器でした。
ただし、細形銅剣は消えていき、
祭器である平形銅剣にかわったのです。
でも入試でその区別はまず出ません。
青銅器は祭器として覚えておくのが基本なのです。
武器としてはこれまためったに出ませんが、
たとえば鉄鏃がありました。
鉄鏃が刺さったままの人骨が出土することがあります。

<Mさん>
今まで日本史が1番苦手だったので、授業の後になんとか遅れを取り返さなきゃと思い図表を見て無駄な知識を入れてしまいました。すみません。これからは石黒先生のご指摘のあった箇所を完璧にすることを目指して頑張っていきたいと思います。明日の授業も100%吸収出来るよう頑張ります。本当にご多用中ありがとうございました。

正誤問題が苦手な受験生は多いですが、
正解率が低い理由は人によってさまざまで、
簡単にアドバイスをすることはできません。
しかし、多くの人に共通することはあります。
正誤問題をたくさん解いてみるべきだってことです。
ただし、解説がイマイチな場合もよくあります。
入試の出題状況を把握していない人が書いた解説だと、
変なところを太字にしていたり、
入試に出ないどうでもいい話を書いていたりします。
その逆に、よく出題されている内容なのに、
「難問」扱いしていることもしばしばです。
適切な解説のある問題集を解いてもらいたいものです。
derutoko.com では『あるある正誤問題』を出しています。
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