早稲田の過去問から(3)

今日は、ある校舎で現役生から直接受けた質問を紹介します。
まず、問題そのものを解いてみてください。
史料は省略しますが、いわゆる「蒙古牒状」といわれる、
1268年に高麗使によって届けられたフビライの国書です。

2007年早稲田大学教育学部
問 史料(1)に関して,正しいものをすべてあげよ。
ア 日親が『立正治国論』をもって,ときの政府に諫言した。
イ これにより困窮した御家人たちの不満は増大した。
ウ 主として火器をともなった集団戦であった。
エ 主として火縄銃を用いた個人戦であった。
オ このあと中国産の生糸や朝鮮半島の木綿がもたらされた。

質問の主が悩んだのはウの文でした。
彼は「集団戦ではなく一騎打ちだから誤文」だと考えたらしいのです。
たしかに日本軍は一騎打ちでしたが、
この問題では日本側の説明に限定しているわけではないので、
誤文とはなりません。
元軍の火薬兵器を使った集団戦法を思いおこして、
正文と判別しましょう。
彼はまだ正誤問題のコツがつかめていないのだと思われます。
たくさん正誤問題を解く必要がありますね。

ついでに他の選択肢も解説します。

ア 日親『立正治国論』→日蓮『立正安国論』。
イ 文句なく正文ですね。
エ 「てつはう」は炸裂弾で、鉄砲ではありません。

そして、この問題で悩まされるのは「オ」でしょう。
これは解答が割れました。
要するに「このあと」という部分をどう解釈するかで答えが変わるのです。
(1)今まではもたらされていなかったが、
 「このあと……もたらされるようになった」なのか、
(2)今までのことはどうこう言わず、
 単に「このあと……もたらされた」のか。
(1)で解釈すると、これは誤文です。
なぜなら平安時代の日宋貿易で、
すでに生糸はもたらされているからです。
しかし、言外の意味など考えず、単純に(2)で解釈すると、
これは正文になります。
というわけで、僕はこれを正文として解答速報を出しましたが、
今だに正解はどっちなんだろう? と悩みます。
ちなみに代ゼミ・駿台・旺文社がこれを正文とし、
河合塾と赤本はこれを誤文として解答しています。

先輩のみなさんは、「すべて選べ問題」の際に使う、
例の作戦で解けばいいじゃないか、と言うかもしれませんね。
そうなんです。だからこそ悩まされるのです。
なんだかわからない内輪ネタになってしまいましたが、
その作戦はさすがにここには書けません。
現在受験生の人は、冬期講習の早慶大向け講座をお待ちください。


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