推測力がものをいう、ハイレベル正誤問題

センター試験の直前にこんな質問をいただいていました。

<Aさん>
お久しぶりです!お忙しいところすみません!明日はセンター試験!ということでセンター演習として学校の先生が“センター演習問題集”的なものをコピーしてきてくれたので解いたのですが…質問です。
…次のうちから間違っているものをえらべ。
(1)内村艦三は『万朝報』で日露戦争反対を唱えた。
(2)大正期には総合雑誌『中央公論』が民本主義の論陣をはった。
(3)平塚らいてうは『青鞜』で女性解放を唱えた。
(4)第一次世界大戦後には大衆雑誌『日本人』が創刊された。
という問題で(4)はあきらかに違うとわかったので解答はできるのですが、(1)の“『万朝報』で”は正しいのでしょうか?万朝報では社長が主戦論派になったから幸徳、堺、内村は万朝報の会社をやめて幸徳堺は平民社を作って内村はキリスト教人道主義の立場から非戦論を唱えた、と理解していたので疑問に思いました。それともこの選択肢は“内村艦三は『万朝報』(の社内)で日露戦争反対を唱えた(そしてやめた)”みたいなニュアンスで書かれたものなのでしょうか?

<石黒>
落ち着いて考えてみてください。
なぜ内村たちが辞めたのかと言えば、社長が主戦論に転じたから、
つまり、転じる前までは反戦論だったのです。
ということは「『万朝報』で日露戦争反対を唱えた」は、
正しそうですよね?
ちなみに「内村鑑三の戦争廃止論」というCランク史料があり、
その出典は『万朝報』となっています。
Cランク史料なので『どこでも史料問題』には掲載されていませんが、
ワセヨビや日本史道場では扱っています。
盲点とならないようにしてください。

よく授業で「妄想してください」と冗談めかして言うのですが、
真面目な話、本当にいろいろ考えてもらいたいのです。
たとえばこの話なども、知ってる事実から
「こういうことなんだろうな」と推測できるでしょう。
入試ではさまざまな事柄が正誤問題で問われます。
難関大学になればなるほど、
その内容を推測して正誤判別することが多くなります。
知識を総動員して「たぶん正文だろう」と判断するのはもちろん、
選択肢のすべてが正文に見えた時に、
「この選択肢だけは誤文の可能性がある!」
なんて推測もしてほしいのです。
ひたすら知識を積み上げるだけではもの足りません。
同時に推測力も身に付けた方が、正解率は高めやすいのです。
MARCH以上の大学を受験する人には、
ぜひとも身につけてほしい力です。
そして、Aさんには厳しくあたることになってしまいますが、
僕が想定しているのは、これよりはるかにレベルの高い正誤問題です。
早慶大向けの講習では、そんな問題が結構出てきましたが、
今度のオンライン版「第3回ハーフサイズ模試」では、
ハイレベルな問題ばかりを解いてもらうことになります。
「自宅で解くなら、答えがわかっちゃうじゃん」
って思ったら大間違いです。
だから単純問題を排除した「ハーフサイズ」な模試なのです。
解説では、推測して解く解法もお見せします。
入試本番前に、ぜひもう一段レベルを上げてください。


関連記事