史料の現代語訳でベストな参考書はどれ?

日本史の入試問題がどんなものかがわかってくると、文化史や史料問題対策が欠かせないことに気づくでしょう。動きの早い人は、すでに3月の時点で取り組みだしていました。今日はその一人からの質問を紹介します。遠く北海道にお住まいの方です。

<Sさん>
1ヶ月ほど前にでる日の文化史と史料を購入させていただいたS(北海道のという枕詞がついたほうがわかりやすいかもしれませんね)です!買ってすぐ送っていただいた天皇や儒学者の歌はとても覚え易く素晴らしかったです!
さて本題ですが、学校で買わされたすごく薄っぺらい史料集で現代語訳を見て、どこでも史料問題を進めていたところ、学校の史料集には載っていない史料が多々ありました。そのため新たに史料集を買おうと思いますが、レビューが良く、大学入試用の「○○史料」や「△△史料集」を買おうか、おとなしく山川の史料集を買おうか迷っています。石黒先生はどう思われますか?また「○○史料集」や「△△史料集」ではどこでも史料問題に載っている史料を網羅できているでしょうか?

<石黒>
教材を使ってくださっているようでありがとうございます。替え歌も気に入っていただけたようで何よりです。

さて史料についてお答えします。○○先生の史料問題集は何種類かあるのでどれのことかがわかりませんが、現代語訳がついているのでしょうか? 確認した方がいいかと思います。以前に生徒から見せてもらった史料問題集には、入試にまず出ない小問が見受けられました。○○先生オリジナル問題が各所に挿入されている可能性があるのでご注意ください。
次に△△先生のものですが、こちらは現代語訳がついているのでその点は大丈夫です。また、史料の数もかなり多く入れているので、ほぼ網羅されているかと思います。ただ、山川出版の『日本史史料集』とくらべると値が張るのと、現代語訳が史料文の行間に黒字で書かれているため、史料文だけを読んで意味を考える鍛錬はしにくいかと思います。また史料の数が多いので、使う場合は各史料の出題率を意識して取り組むべきです。

というわけで、単に現代語訳がほしいだけでしたら、山川出版のもので十分な気もします。辞書的に使うという意味です。一方で、マイナーなCランク史料まで広く穴埋め箇所をチェックしておきたい場合は、△△先生のものが良いかと思います。そしてこれは蛇足ですが、一応 derutoko.com のものも紹介すると、『どこでも史料問題−問題編−』と『頻出史料でるとこチェック』にCランク史料が結構含まれています。昨年は、そこにも載っていない史料を一日完結講座の「日本史道場」で補いました。S君の場合、さすがに遠くて来られないと思いますが。

これからも教材の内容などで疑問が湧いた際には、遠慮なくご質問ください。

いろいろ難しい事情もあるので、文中のあちこちを伏せさせていただきました。
ちなみに、この山川出版の『日本史史料集』そのものでは、史料問題対策をするのは困難です。なぜなら史料文中の赤字が入試問題の出題状況とずれているからです。それどころか赤字が2行、3行と続くほど長いことも多く、赤シートで隠したら何がなんだかわからなくなってしまうからです。そんな話もすでに記事にしてますね。笑えますのでごらんください。まあ長文暗記能力が高い人ならイケますけどね。あーそういえば、史料文をそのまま暗記させる講師がいるんだそうです。なんともったいことでしょう。そんな能力があるなら、英語構文の暗記にあててください。


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