赤本後日談

先日、赤本に関する文章を書きましたが、ひとつ忘れていたことがあります。あのM田さんの赤本チェック表には、やり終えた日が書かれています。それが1999年12月29日なのですよ!要するにあんなにたくさんの過去問を、彼女は年内に解き終えていたのです。それに気づいた時に、思い出しました。

M田さんは、1月に入って「何したらいいですか?」と質問に来たのです。当然のことながらノートの復習を勧めたわけですが、それだけではもの足りないようだったので、「もっと古い赤本も解いてみる?」と言うと、早稲田予備校の西船橋校で1980年代の早稲田の赤本をコピーして、いくつかの学部をさらに数年分解いていたのです!

正直な話、こんなに赤本を解けるのは、英語ができる人だけです。しかし、単にそれだけではないでしょう。同じようにたくさんの赤本を解いていた森T君や滝Gさんに共通するのは、授業や校内模試にあわせて、地道にノート覚えをしていたことです。「自分はこの40面を習得するんだ」という意気込みとも覚悟とも言うべきものを持ち、しかも入試の2月まで、先を見通したうえで、きちんと一面一面クリアしていくという努力をしていた人です。

最初から頭が良くて順当に合格した人や、底辺からの下剋上を果たして合格を勝ちとった人を見てきた一方で、その逆に最初の意気込みはすごかったのに、崩れていった人も見てきました。思うのは、合格への近道を探して「逃げた人」はアウトだなってことです。要領の良い道は、一歩はずれれば、単なる逃げ道です。その違いは、自分の胸に手をあてて考えれば簡単に見分けがつくはずですが、自信がなければ講師に相談するのがいいと思います。

6月なのですから、まだまだ試行錯誤を重ねながら勉強していってください。

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