あと1点に泣いた歴史検定(1)

昨年「50代からの歴検奮闘記」でご紹介したNさんが、ふたたび歴史検定を受検なさっていました。お医者さんとして日々忙しくされているにもかかわらず、歴史にも精通しようという奇特な方です。ところが今回は残念な結果だったそうです。報告メールをいただきましたのでご紹介いたします。

<Nさん>
石黒拡親先生
御無沙汰いたしております。1年ぶりにメールさせていただきます京都のNです。昨年は「50代からの歴検奮闘記」としてご紹介いただき、恐縮しておりました。1年前に申し上げておりました通り、最低合格ラインでの歴検1級合格では歴史オタクを目指す私としましても納得できず、あれから『難関大用語集解』も購入させていただき、このたび再度1級の試験を受けました。すでにこれ以前にも先生の出されている教材は、5本の映像教材すべてと、『日本史でるとこ攻略法』、『読むだけ日本史』、『受験生がほしかった問題集近現代』、とまでそろえておりましたが、『難関大用語集解』で前近代がさらに詳しく拾えたのですが、一方で人間は忘れる動物であることを50代の私は身にしみて実感し、まだまだ今まで使ってきた教材を十分自分のものとしきれていないと自覚しておりました。

そこで、この1年も他の教材には手を出さず、これまで使ってきた先生の教材にひたすら集中しておりました。しかし、、、、、残念ながら目を疑いましたが今回は59点で1点に泣き、昨年とあまり進歩していないことをみせつけられた思いでおります。一旦、合格できた慢心があり、最初先生の教材にとりくんだ年に比べて貪欲さにかけていたと思います。

簡単に、今回の試験をふりかえりますと、やはり細かい内容を聞く選択問題が20題あり、それに続いて単語の記述が8題、論述の記述が2題でした。
【単語記述】
石匙、再葬墓、李参平、平民宰相は書けましたが、せっかく『難関大用語集解』で拾っていながら、傘連判、一味神水が問題文の穴埋めで撃沈。これは痛かったです。
そのほか、お手上げだったのは、アヘン戦争勃発の2年後からカピタンに幕府が新たに提出させるようになった報告書は?というもので、答えは別段風説書。これは参りました。あっさり負けを認め、これは別段(べつだん)気にしていません。
もうひとつの難問は、1891年に成立し、清浦奎吾内閣を支持した貴族院の有力会派は?で、答えは研究会。これは負けを認めますが、名前が単純すぎて、何か出題者がにやりとしているところが想像されるようで悔しい思いです。

【論述問題】
1)2つの徳政一揆に関する史料があり、まずそれが何という徳政一揆についてのものかを示し、一揆発生の契機という観点から指摘できる両者の共通点と、その要求の実現という観点から指摘できる両者の相違について、80字以内で、というものでした。
史料1は正長、史料2は嘉吉の徳政一揆と読み取れ、両者とも将軍の代始めを契機に、というところまで記述できたのですが、実現について、というところの問題の意図をしっかりくみ取っていなかったうっかりミスでした。
私は幕府に徳政令を発布させるという要求は、正長では認められず、嘉吉では認められたので、そのように記述したのですが、だめでした。もちろん、正長の一揆では幕府に出させることができなかったので実力による債務破棄など私徳政が展開された、と記述するべきでした。実に残念。

2)佐賀藩が日本で最も早く反射炉建造に成功した理由として考えられることを、鍋島直正の政策、幕藩体制下における佐賀藩の任務、佐賀藩内の在来産業と関連付けて80字以内で、というものです。
反射炉建造費については、有田焼という陶磁器の専売で得た利益が役立ったことは、記述できましたが、反射炉建造の技術については反射炉建造に必要な高熱に耐えられる煉瓦などを藩内で生産していたということで、陶磁器生産の技術が反射炉建造技術にも貢献したことは、なるほどいわれてみればそうですが、残念ながら書けませんでした。
また長崎貿易に精通していたことで外圧をを認識し防衛力を強化する必要性を感じていた、というように記述しましたが、長崎警備の任務を担っていたことを記述するべきでした。はずかしながら警備をしていたのを知りませんでした。フェートン号事件で長崎奉行が切腹したのに、佐賀藩主まで責任を問われていたことが少し疑問だったのでそこでもう少し深く理解しておけばよかったと思います。

選択問題は7割とれましたが、注意して読めば正解できていたケアレスミスが2題あり、これも残念でした。したがって、先生の教材を完璧にしていてケアレスミスをなくせばもちろん合格できていたのです。受験日本史以外の肉付けも今年は何とかやっていきたいと思います。このたびはこのような報告になり申し訳ありません。来年は、また再度リベンジに挑みます。こんなことでひきさがるわけにはいきません。

なかなか難しい問題ですね。大学入試でもまず問われないものが出されています。
Nさんからの報告は明日につづきます。

難関大用語集解

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