勉強法−文化史

文化史ってどこまで掘り下げるべきですか?

普段から口を酸っぱくして言っていますが、
河合塾生は文化史と史料が弱点になりがちです。
重々承知のうえで取り組んでください。
こんなメッセージをいただきました。

<Mさん>
こんばんは。河合塾藤沢校のMです。今明治以降の美術史をやっていて思ったのですが…いつも僕は山川の用語集と説明プリントを照らし合わせながらやっているのですが、山川にはかなり多くの説明がのってるんです。そういう場合どれぐらいまで掘り下げて、理解すればいいのでしょうか?今日の例で言うと、「帝展の後の新文展」や「朝倉文夫は文展で活躍した」などです。やっぱり石黒先生に教わってるからには、頻出度を大事にしたいので。

<石黒>
どれくらい掘り下げて理解するかは、用語によってまちまちです。
そもそも肝心なポイントが用語集に書かれていないこともしばしばです。
受験で必要なポイントだけが、
ずばり書かれている参考書はそうそうありません。
もちろん『でる日講義−とことん文化史−』では、
そのポイントだけを講義していますが。
河合塾では文化史の講義をおこなうチャンスがありませんので、
M君にはそのハンデを乗りこえてもらわなければなりません。
ちなみに、「帝展の後の新文展」や「朝倉文夫は文展で活躍した」
という知識はまったく必要ありません。

12月12日の「日本史道場」でも文化史の問題を扱いますので、
入試本番ではどのレベルまで問われるかを
目のあたりにできるはずです。
楽しみにしていてください。

「日本史道場」のテキストは、問題を厳選して
ようやく整いつつあります。
すでにお申し込みくださっている方は、
お待たせしていて申しわけありません。
週明けには発送できるかと思いますので、
もうしばらくお待ちください。
受講しようかどうしようかと迷い中の方は、
ギリギリになるとテキストの予習が間に合わなくなるので、
お早めにお申し込みください。

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近現代と文化史は平行してやったほうがいいですか?

相変わらず夏期講習が続いています。
今週は、ワセヨビの東京校と西船橋校で、
「日本文化史」と「テーマ別日本史」の授業をやっています。
ワセヨビでは、毎週70分の史料・文化史講座があるうえに、
講習でも計900分の文化史講座があって万全体制なんです。
ただし、ワセヨビの場合、受講生のレベルが
上から下までかなり広いので、学習が遅れている人は結構苦しそうです。
本気でMARCH以上を狙うためにはがんばってもらうしかありません。
一方、上位層にはしっかり「わかっている」顔の人がいます。
その点は安心なのですが、問題演習となるとまだまだつまずくようです。
テキストには「落とし穴問題」と言えるような、
ひっかかりやすい問題があちこちに入っています。
これを解いてもらうことも、今回の講座の大きな目的です。
決して覚えた単語をそのまま答える問題ではありません。
問題文をよく読んで、考えて答えを出す問題なのです。
だから答えを知ってしまったら最後。もう解く意味なんてありません。
テキストにはまだまだお土産問題がたくさんあるので、
そこでも「考えて解く」問題を十分味わってください。
くれぐれも言いますが、タネを知ってる手品はつまらないです。
謎解きこそが重要なので、間違えた問題をやり直す意味なんて、
ほとんどないのです。
考えぬいて答えを導きだす経験をたくさん積んでくださいね。

さて、河合塾で「早慶大日本史」を受講した方から、
感想と質問をいただいていました。
河合塾生はどうしても史料と文化史が弱いようです。
ワセヨビや河合塾高卒クラスとくらべて、
授業時間数が少ないので、必ずカバーしてください。
夏休みは最高のチャンスです。

<Hさん>
こんにちは。藤沢現役館でお世話になっているHです。夏期講習、本当に刺激をうけました。と、いいますか早慶大日本史の方では刺激どころかもう、心臓にぶっさりなにか刺されたんじゃないか?と痛い位衝撃的でした。と、いいますか本当に痛くなりました(笑)5講目は正直胃が痛くてもう泣きそうで後ろの席座ろうかなとか一瞬考えたりしたりしました…(5講目時表情怖かったらすみません…)とにかく自分の知識の浅さと文化史と史料の大切さと出来てなさ、そしてなにより早慶のレベルを身を持って知りました。そして夏期講習を通して40面ノートの偉大さも再実感しました。自分はまだまだ復元が甘いなあ、とも。でも、レベルの足りなさを叩きつけられて、ショックな気持ちよりも勝ちたい気持ちが強くなりました。受講前は模試近いし模試終わってから文化史とか史料やろうかな、とか思ってましたが、今もう、はやくやりたくてやり始めてしまいました(笑)模試が目標じゃないので。でも模試ももちろん今までやったところはしっかりとれるようにします。そして文化史の教材、やはり買わせていただく事にしました!お母さんの許可が出次第購入させて頂くので宜しくお願い致します。あと、近現代も映像で受けようと思っているのですが近現代と文化史は平行してやったほうが良いでしょうか?それとも近現代から先にやったほうが良いのでしょうか?この1カ月しっかりプランをたてて頑張ります!夏期講習でお疲れの所拙い文章を読んで頂き大変恐縮です。他校舎での夏期講習頑張って下さい。

<石黒>
近現代と文化史は、並行してでも別々に取り組むのでも、
どちらでもかまいません。
決して時間的に余裕があるわけではないので、
気持ちを集中させて講義を受けてください。
そして、見終えた直後から声に出して暗記してください。
それができるのが、家で映像授業を見ることの利点なのですから!
要領が良ければ、予備校で受講するより短時間で暗記できるはずです。
もちろん授業を見ながら用語をぶつぶつ言うのもアリですね。

『でる日講義−つながる近現代−』にも、
『でる日講義−とことん文化史−』にも、
問題がどっさりついています。
考えぬいて解く問題もたくさん経験できますよ。

映像教材の感想(再)

この時期、集中的に映像教材に取り組んでくれている人がいます。
「とことん文化史」「つながる近現代」
受講生からのメッセージを紹介します。
夏休み中に受講すべき『でる日講義』は、
近世初期までの外交史や、古代~現代の土地制度史などを扱った
「経済・外交史(前近代)」もお勧めです。
夏期講習で、これらに相当する講座を受講していない人は、
まとまった時間の取れる今の時期に、ぜひマスターしましょう。

映像教材の感想

予告!『聴くだけ日本史−文学史編−』(2)

先日の記事で、
「その作品がどこに分類されるかがわかっていないと、
 解けない問題があるのです。」
とお伝えしましたが、今日はそれを具体的にお見せしましょう。
2001年明治学院大学社会学部・経済学部の問題です。

……西行が出家した動機は明らかではないが,〔 f 〕第2巻には「西行法師,大峰に入り難行苦行の事」という一項がある。西行は出家し修行のなかで感きわまったという。……
問f.13世紀の説話集を次の中から一つ選びなさい。
 (1) 今昔物語  (2) 愚管抄  (3) 宇津保物語
 (4) 曽我物語  (5) 古今著聞集

なんだかえらい説明不足な問題ですが、
たぶん〔 f 〕にあてはまる作品を答えさせたいのでしょう。
右も左もわからない受験生だと、
「西行法師,大峰に入り難行苦行の事」
って部分に目がいっちゃって、???となってしまうかもしれません。
念のためお伝えしますと、西行の歌集の『山家集』は、
別の小問で問われていました。
というわけで、この問題では「西行」なんてどーでも良いのです。
もっと別のルートから正解にたどりつくべきなのです。
注目すべきは、設問文の「13世紀の説話集」です。
選択肢を見渡すと、その条件に合うのは、一つしかありません。
答えは伏せておきましょうか。
もちろん『聴くだけ日本史−文学史編−』では扱っています。

この「選択肢を見渡す」=「選択肢の相違点を比較しあう」
ということができるようになると、
今までは解けなかった問題が解けるようになります。
いちだんと正解率が上がるわけです。
選択肢の用語の時期やジャンルを、瞬時に判断する能力が必要ですね。
この問題などはまだ簡単な方ですが、
早慶上智などの最難関大を受験する人には、
ぜひ習得してもらいたい能力です。

それにしても、解答へのプロセスって大事だと思いませんか?

聴くだけ日本史−文学史編−セット

『聴くだけ日本史−文学史編−』には、
文学作品をいっきに確認できるチェックシートが付属します。
詳細は、近日中に公開いたします。

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上智で問われた有職故実の時期

どこかの予備校で日本史の授業を受けながらも、
derutoko.com 教材でパワーアップをはかっている受験生がいます。
とりわけ文化史は、通年授業でも扱う時間が取れないことが多いので、
その危険性に気づいている人だけが取り組んでいるようです。

『でる日講義−とことん文化史−』を使ってくださっている方から、
こんな質問メールをいただきました。

<Yさん>
4月からとことん文化史を利用している河合塾のYです。問題演習の授業の中で、有職故実が鎌倉時代に発達していったという正誤問題があったのですが、とことん文化の中では源高明の西宮記が平安時代にあるのですが、そもそも西宮記を有職故実と認識して良いのでしょうか?その授業の担当の先生は儀式書として覚えろと言ってました。石黒先生も儀式についてだと映像教材の中でおっしゃっていたのでそこには疑問点はないのですが、西宮記を有職故実として認識していいのかを教えて下さい。お忙しい中、申し訳ないですが、よろしくお願いいたします。

<石黒>
大丈夫です。
たしかに『西宮記』は儀式書と説明されることの方が多いのですが、
あまりそこにこだわる必要はありません。
広い意味での有職故実の書だと考えておいて大丈夫です。
一方、有職故実がさかんになったのは鎌倉時代です。
過ぎ去ったよき時代を懐かしんで尊重する気持ちが、
貴族の間に高まったからです。
そして、1997年の上智大の正誤問題では、有職故実について、
次の文を正文として選ばせる正誤問題が出題されました。
「公家では平安中期、武家では室町以降に行われるようになった学問である。」
日本史のできごとは、
「始まった時期」と「さかんになった時期」が異なり、
その両方を覚えていなければならない場合があります。
たいていは始まりを優先してとらえておいて、
「たぶんその後さかんになったんだろうなあ」
と考えて問題を解くのが良いでしょう。
Y君が見た正誤問題も、
そういう感覚であたれば正解できるのではないでしょうか。

<Yさん>
返信ありがとうございます。僕が知りたかった事に加えて的確な情報をいただけてスッキリしましたし、メールで質問して良かったです!始まった時期と盛んになった時期を石黒先生がおっしゃった覚え方で記憶に残す必要性がよくわかりました。有職故実以外の事柄でも暗記する必要があるものを習得出来るようにしていきたいと思います。お忙しい中ありがとうございました。

そういえば昨日の記事のXさんも、あの後、
「文化史はなにかと軽視しがちですが、
 (周りの人を見ても文化史を甘く見てる人が結構多いです。)
 そうならないように気をつけます。」
と返信をくれました。
自分の弱点を意識して、弱いところを優先して成績を上げるのが、
合格への近道です。
教科書を読んでいるだけじゃわからないのはもちろん、
授業を受けているだけでも、どこが弱いかはわかりませんよ。
先日も、マーク模試ではかなり高得点が取れているのに、
中央大の赤本を解いたら正解率が5割だった、という人がいました。
気づくのが11月だったら、もう間に合わないところでしょうね。

螺鈿紫檀五絃琵琶って書かされますか?

受験日本史の用語は、どれが選択問題で出されて、
どれが記述問題まで出てしまうかは、一概に言えません。
思いがけない細かい知識が正誤問題で出されることもしばしばです。
受験生全体をみわたすと、どちらかと言えば、
入試をナメていて、習得レベルが低い人が多いのですが、
細かいところまでやりすぎている人もちらほらいます。
そんな人には、
「もっと効率よくやって、英語に時間をかけな!」
と言いたくなります。

さて、文化史の学習はどの程度まで達しているでしょうか?
先日、こんな質問メールをいただきました。

<Xさん>
先日日本史道場の申し込みをしたXです。予備校での先生の授業は受けていませんが、先生の授業は以前から受けてみたいと思っていたので、参加を申し込みました。(中略)あと、仏像や美術作品はどの程度まで漢字で書けるようになる必要はありますか? 螺鈿紫檀五弦琵琶とか柳鷺群禽図屏風とか正直気が滅入ります・・・。以前注文したでるとこ史料問題のCDも毎日聞いています。史料の方も要点などが分かりやすく、見やすいので重宝しています。市販の史料問題集の良し悪しが分からなかったので、助かりました。

<石黒>
日本史道場のお申し込みありがとうございます。(中略)
美術作品のうち、仏像の名称は別名が多数あるので、
作問者サイドは記述問題では出しにくいという事情があります。
よく出るA・Bランク以外の作品名は、基本的に選択問題です。
一方、絵画・工芸品は意外と記述問題で出ますが、
「螺鈿紫檀五絃琵琶」を書かせることはまずありません。
また「柳鷺群禽図屏風」は、
呉春(松村月溪)の「代表作」と言われるので、
重要だと思ったのかもしれませんね。
しかし、記述どころかそもそもめったに出ない用語なので、
覚える必要すらありません。
呉春は「四条派の祖」と覚えているだけで十分なのです。
文化史用語は出題データを知らないと、
出る・出ないの判別ができないのが困りものですね。
情報が少ない環境にある場合は、
ムダを承知で「大は小を兼ねる」戦法をとらざるを得なくなります。
日本史道場でも文化史を扱いますので情報を吸い取ってください。

<Xさん>
(前略)仏像は別名が多数あるから問題を作りづらいというのは納得しました。それから、柳鷺群禽図屏風は代表作というくらいだから当然覚えるべきだと思っていました。受験生の立場ではなかなかこういった事は分かりませんね。僕は文化史は山川教科書を覚えているのですが、A・Bランク用語をおさえるという意味では「文化史入門」のプリントで大丈夫でしょうか。プリントのサンプルを見ると見たことの無い用語がいくつか載っているので気になります・・・。

<石黒>
文化史のA・Bランク用語だけをおさえたいのであれば、
『文化史入門』は有効です。
プリントでは頻出用語を網羅しています。
ただし、これはあくまでも用語の「まとめ」にすぎないので、
詳しい理解や周辺知識については自分で学習する必要があります。
付属の音声解説CDの中でも、
頻出事項についての最低限の解説しかしておらず、
丁寧な講義は『でる日講義−とことん文化史−』に譲っております。
本気で早稲田を狙うのなら
A・Bランク用語だけではとうてい太刀打ちできませんので、
『文化史入門』だけで満足しないよう願います。

【追記】
『文化史入門』は、現在は販売しておりません。

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藤沢での文化史特別講座(再)

難関大の文化史の出題水準については、
このブログでも何度か書いていますが、
ストーリー性の高い政治史にくらべ、
文化史はなかなか覚えられないという人もいると思います。
「文化史」というと、
用語の単純暗記というイメージがあるかもしれませんが、
政治史と切り離して理解するのは、実は非常に効率が悪いのです。
『でる日講義−とことん文化史−』では、
そんな文化史を政治史と関連づけながら講義しています。
文化史だって、理解しながらだったら覚えやすいはずです。

こちらの記事で、
教材を実際にお使いいただいた方からのメッセージを紹介しています。

藤沢での文化史特別講座

「とことん文化史」だけで早稲田に対応できますか?(2)

昨日の続きです。
文化史の勉強法についての質問を紹介します。

<Yさん>
昨年度河合塾藤沢現役館に通っていた者です。石黒先生のレギュラーの授業は受けていませんでした。行きたかったところに落ちたので浪人する事にして、何がなんでも早稲田に行きたいと思っています。河合塾○○校(編注:伏せ字にさせていただきました)に通う事に決めて、具体的に一年間の学習スケジュールを立てスタートを切ったのですが、日本史の文化史をどのようにやるか悩んでいます。河合塾のカリキュラムでは日本史にあまり時間をかけていないので、自分でやらなければならないと思います。そこでとことん文化史の映像教材をやりたいと考えているのですが、この教材は早稲田政経や慶應法などのトップに視点をおいて作っているのですか?毎日の授業の復習などで、なかなか時間がない中この教材をやるのはかなり厳しいと思うのですが、この教材をやれば文化史についてはほぼ全てを網羅出来ますか?この教材に取り組むなら全てをものにしたいという覚悟でやりたいので、そこを知りたいです。一年間のスケジュールとして、大体いつごろまでにインプンットして、問題演習に入れば良いのでしょうか?夜遅くにすいません。よろしくお願いします

<石黒>
お問い合わせありがとうございます。
早稲田対策の文化史の学習については、
『でる日講義−とことん文化史−』だけで十分網羅できます。
当教材は入試で問われる文化史の内容を完全にカバーしており、
約770分にわたって基礎から丁寧に講義していますので、
中堅から最難関大まで対策ができます。

問題演習に関しては、
映像授業の進度と付属の演習テキストで扱っている内容が
連動していますので、
章ごとに授業を聴いてまとめを覚え終えたら、
その範囲の問題を解くようにしていってください。
文化史にかぎらず通史もそうですが、
1単元を習得したらすぐに問題演習に入るものです。
なので1年間のうちのいつから演習するべきかと言えば、
言うまでもなく、すぐにでも習得して演習に入るべきです。

ちなみに、Y君のメールからは時間の使い方について
もっと工夫すべきではないかという印象を受けました。
ブログやサイトでは、
そうした時間のことについてもアドバイスが書かれているので、
あちこち見回ってみてください。

<Yさん>
お忙しい中返信ありがとうございます。ブログを見させていただいて、根本的に間違った考え方をしていたところもあり、改善すべき点が見つかりました。昨年は時間の使い方に失敗してやるべきことを全て出来ずに入試に挑んでしまいました。なのでこれからは石黒先生のブログから大切な情報をもらって効率よくやれるように努力します。また質問させていただくかもしれませんが、よろしくお願いします。

質問にお答えした2時間後にリアクションが返ってきたのですが、
ブログを読んで早々に気づいたとは、腰の軽さに驚きました。
高卒生はとかく、
今までのやり方に縛られてしまって頭が固くなりがちですが、
Y君のように、
アドバイスを受け入れる素地を持ってもらいたいものです。

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「とことん文化史」だけで早稲田に対応できますか?(1)

河合塾現役館では、4日間の春期講習があって、
藤沢と南浦和で講座を担当しました。
内容は、受験日本史の概要をつかむものでした。
テキストには早稲田・慶應の問題がついていたので、
ゲンジツの厳しさを実感してもらったつもりです。

講習中、一番顕著な反応を感じたのは4日めでした。
その日は文化史がどういうものかを伝える内容でした。
テキストについていた問題が、
文学史、とくに歴史書のテーマ史問題だったので、
『でる日講義−とことん文化史−』のプリントをちょっとだけ使って、
早慶上智に対応できるレベルの授業を行ったのです。
そうしたら、そのレベルの高さに驚いたのか、
目が点になっている人が何人もいました。
学校では通史が全部終わらないと嘆く人がよくいますが、
文化史の方がもっとおろそかになっているのではないでしょうか?

先生の中にも、政治史だったら自分の経験だけで、
「このあたりまで教えておけばいいだろう」
と推測できることもあると思います。
しかし、文化史となると、
「どこまで入試で出題されているか」
をつかめていない先生は相当いらっしゃると思います。
入試のデータ入力をしていて、よく感じることです。

そうした背景もあって、derutoko.com 教材のうち、
最初に制作したのが『聴くだけ日本史−美術史編−』でした。
また『でる日講義−とことん文化史−』は最初の映像教材です。
どちらも売れるかどうかはあまり考えず、
「文化史分野が一番おろそかになってるんじゃないか?」
という気持ちで作ったものです。
受験勉強にいち早く取り組めた人には、
文化史の重要性にも早く気づいてほしいものです。

何も知らず、無邪気に受験に取り組む現役生とは違って、
受験日本史の厳しさを身をもって知った高卒生ならわかるでしょうか?

明日は、まさにいち早く気づいた方からのメールを紹介します。

閑谷学校は何文化?

昨日のつづき……と言いたいところですが、
ちょっと疲れ果てているので、2日前に書いておいた記事を、
先に上げさせてください。

先日の百姓一揆の問題で、時期を考えることが、
どれほど大切かを伝えたつもりですが、いかがだったでしょうか?
ちょうど、その‘時期’でつまずいた人からの質問がありました。

<Kさん>
(前略)ところで、いきなりですが一つ質問があります。今日の河合塾のセンタープレのことなのですが、第1問の問3の、古いものから年代順に並び替える問題の中に『岡山藩の藩主池田光政は、領民教化の一環として、各地の手習所を統合して閑谷学校(閑谷黌)と称する郷学を設立した。』というものがありました。自分はこれを見たとき「閑谷学校は化政文化のプリントに書いてあったな!」と思い、その時代のものとして並び替えたのですが、答え合わせをしてみたところ『池田光政が前期藩政改革の担い手の一人であることから17世紀ころと推測ができる』というような解説となっていて、自分の回答へのプロセスとは異なっていたので、結果的にその問題は落としてしまいました。確かに言われてみればそうであり、易問であった今は考えていますが、それでは何故閑谷学校は文化史プリントの方には元禄文化ではなく化政文化の方に分類されているのでしょうか。先生のノート構成は通年授業を受けている限りでは比類なき傑作のように思われますので、文化史プリントの方も何か意図があってそうしていらっしゃるのではないかと考えメールをした次第です。私個人の些細な疑問で単なる深追いに過ぎないとも言い切れないので、御多忙な先生に迷惑をお掛けしてしまうかもしれませんが、出来れば受験に迷える子羊を助く想いで返信頂けると有り難いです。夜半に長文失礼致しました。

<石黒>
小さい字で書かれた文化史プリントの説明は読んでないのでしょうか?

この「小さい字で書かれた文化史プリント」というのは、
derutoko.com で販売している、
「文化史入門」に付属する音声CDの台本のことです。
河合塾では文化史を説明する時間がまったく取れないので、
せめてA・Bランクの用語くらいは説明しないと……と思って、
その台本を細かい字で印刷して配布しているのです。
なぜ「小さい字」かと言うと、
河合塾には配布プリントの枚数に制限があるからです。
というわけで決して軽んじてはいけないんですよ。
っていうかむしろ、A・Bランク用語を説明しているんですから、
思いっきり重視すべきものなのですよ。
A・Bランク用語を正解しなかったらどこにも受かりませんってば。

そして、そこに池田光政がつくった岡山藩の藩校の花畠教場について、
こう書いてあります。

「池田光政ってどっかで見ましたね? 覚えてますか? 諸藩の文治政治で出てきた人です。熊沢蕃山を招いたってやつです。ということはだいぶ前にできた藩校ですね。この表の藩校は全体的にみると化政文化の頃にできたものが多いですが、一部そうでないものがあります。大名の名前からそれがわかりますよ。」

もちろん閑谷学校をつくったのも池田光政なので、
当然、同じことが言えるわけです。

河合塾のみなさんは、文化史が弱点とならぬよう、
くれぐれも気をつけてください。
この台本ですら、A・Bランク用語しか説明していないのです。
『読むだけ日本史』の赤字はCランク用語まで含みますから、
この台本にある内容がいかに大切かが、わかるかと思います。

【追記】
『文化史入門』は、現在は販売しておりません。