受験に役立つ脳科学

受験に役立つ脳科学(再)

通年授業では、「効率の良い記憶定着のために、脳科学を意識しています」と言っています。しかし、授業内では時間の関係で、脳科学の話のさわりしか触れられません。このブログで以前に詳しく書いたので、ぜひ読んでみてください。

40面ノートを作っている人は、1番ページの復元がどのくらいできるでしょうか。演習問題に当たるとよくわかりますが、授業がどんどん進むにつれ、忘れていっているはずです。どうすれば2月の入試本番まで記憶を維持し続けられるか、脳科学に基づいた方法をこちらの記事で紹介しました。
受験に役立つ脳科学(2)

眠りと記憶の意外な関係についても、こちらで触れています。新しいことを学んだときには、何時間以上眠る必要があると思いますか?
受験に役立つ脳科学(6)睡眠

科学的な根拠に基づいた正しい勉強法で、合格への最短コースを行きましょう!

日本史事始

メルマガ購読・解除
でるとこ攻略日本史メルマガ
読者購読規約
>> バックナンバーpowered by まぐまぐ!
 

携帯でごらんの方は、こちらからご登録ください


関連記事

受験に役立つ脳科学(6)睡眠

Twitterを見ていると、「寝坊したー」とか「寝過ぎたー」なんて書いてる人がいて、うらやましくなります。僕の場合は6時間寝続けることができないのです。「老化ですね」って言われますが、もう何年も前からそうなのです。だいたい4時間半で起きてしまいます。最近は、3時間で起きることも多くなってきて、起きるたびにがっかりしています。
「二度寝すればいいじゃん」って思うかもしれませんが、せっかく自然に目が覚めたのですから、そのまま起きてしまいたいじゃないですか。

ところが、脳科学を勉強してみると、これはいけないことだとわかりました。新しいことを学んだときには、6時間以上眠ることが欠かせないらしいのです。確かに定期テスト前によくやる、徹夜に近い一夜漬け記憶って、すぐ忘れるんですよね。短期記憶にしか残らない作業だったわけです。むなしい……。ここのところたくさん本を読んで、知識蓄えキャンペーン中の当方としては、なんとしても6時間寝ないといけないようです。

池谷裕二先生の『最新脳科学が教える 高校生の勉強法』によれば、寝ている最中に海馬が記憶を整理してくれるのだそうです。

人はたった一晩でも膨大な夢を見ます。それらはすべて海馬の情報や、大脳皮質の記憶が夢の中で再現されているのです。脳は睡眠中に、情報をさまざまな形で組み合わせ、その整合性をテストし、過去の記憶を「整理」しています。そして、どの情報が必要か、どの情報が必要ないかを、海馬が吟味しているのです。
学習の基本は、「覚えられる範囲だけを覚える、理解できた範囲だけを確実に覚える」ことです。あとは、いさぎよく寝ましょう。やるべきことだけをきちんとやって、あとは海馬に任せましょう。しっかりと寝て、海馬の活躍に期待する−これが学習の鉄則です。

寝るという行為は、外界からの情報を脳に入れないようにして、その間に入力済みの情報を整理する意味があるようなのです。だから暗記には睡眠が欠かせないわけですね。寝る直前は、暗記の時間にあてるべきってことです。夢に暗記した内容が出てくれば、シメシメって思っていいわけです。確かに「夢に先生の授業が出てきました」って話をときどき聞きます。もっとも、目覚めたときにはほとんどの夢を忘れてしまっているそうなんですが。

というわけで、睡眠時間を確保するためにも、学習時間の短縮化をめざしましょう。

メルマガ購読・解除
でるとこ攻略日本史メルマガ
読者購読規約
>> バックナンバーpowered by まぐまぐ!
 

携帯でごらんの方は、こちらからご登録ください


関連記事

受験に役立つ脳科学(5)

今回は、脳科学の専門のかたではなく、経済学者野口悠紀雄先生のアドバイスを紹介します。
野口先生は『「超」整理法』というベストセラーが有名ですが(読んでません)、その後「超」シリーズをたくさん書かれていました。その一つに『「超」勉強法』という本があります。これは著者の体験をベースにしている部分も大きいので、決してそのまま利用できるわけではありませんが、膝ポンな勉強法が紹介されています。

その一つに、「全体から理解する」というのがありました。
「部分の積み上げで全体を理解するのではなく、全体を把握して部分を理解せよ」と言うのです。最近は、この点を意識して授業を展開していることが多いですが、ノート復元の際にも大雑把な復元から入るのが良いのです。

それから、「八割できたら、つぎの仕事にかかれ」というのもありました。「基礎にいつまでも拘泥するな。先に進め」と言うのですが、ノート復元で言えば、完璧な復元までいたらずとも、次の面に進むべきということです。几帳面な人はついつい完全さにこだわってしまって、足踏みしてしまいがちです。2割くらい放っておいても、それが細かいところだったら、次の範囲の学習にさしつかえありません。2度目、3度目の復習の際に埋めていけば良いのです。

そして「もしかしたらこんな受験生がいるのかもしれないなあ」と不安になったのは、「ながら勉強」をする人の話です。テレビやラジオ(今どきいるのかな?)をつけながら勉強することです。いや、日本語の歌詞のある曲を聴きながらというのも危険ですね。野口先生は、次のように書いています。

勉強には集中が必要だ。なぜか。それは、人間のワーキング・メモリには厳しい容量の制限があり、多数の案件を同時処理できないからである。これは、実験心理学や大脳生理学で明らかにされている。第五章で、記憶に刷り込むには、対象に注意を向ける必要があるといった。同じことが、すべての学習についていえる。対象に注意を集中しなければ、勉強したことにはならない。
このために、余計な刺激をワーキング・メモリに入れないようにする。虫の鳴き声のように無意味な刺激は、仕事や勉強に熱中すれば、聞こえなくなる。つまり、そちらがワーキング・メモリから追い出される。しかし、テレビ番組のように意味がある刺激は、なかなか追い出せない。それどころか、そちらにメモリを占拠されてしまう。
だから、「ながら勉強」は、避けるべきだ。とくによくないのは、テレビである。意識的に消さないと、つけっぱなしになってしまう。現代っ子は、幼い頃からの習慣で、テレビを見ることが無意識の癖になっている。

これは脳科学を勉強して納得したのですが、意識的に見ようとしていなくても、視界に入っていれば脳は認識してしまうし、意識的に聴こうとしなくても耳から情報は入ってきてしまいます。電車の中で他人が話してる内容って、聴こうとしなくても耳に入ってきてしまいませんか? 本を読んでいるときには非常に邪魔です。僕はすぐさま iPod で耳をふさぎますけどね。でも歌詞があるとこれまた邪魔になります。だから聴くのはクラシックか、20年以上も聴き続けて歌詞が気にならなくなった邦楽です。

日本史の勉強時間は短いにこしたことはありません。どうせやるなら効率の良い方法にしてみませんか?

メルマガ購読・解除
でるとこ攻略日本史メルマガ
読者購読規約
>> バックナンバーpowered by まぐまぐ!
 

携帯でごらんの方は、こちらからご登録ください


関連記事

受験に役立つ脳科学(4)

児玉光雄先生の『上達の技術 一直線にうまくなるための極意』のなかに、「記憶するときはあらゆる感覚器官を動員する」というアドバイスがありました。

感覚器官というと「五感」がありますね。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の5つです。しかし、ほかにも「圧覚」「痛覚」「温度感覚」「運動感覚」「平衡感覚」「臓器感覚」があって、これらの感覚器官をできるだけたくさん動員して記憶すると良いそうなのです。英単語を覚えるときも、「単語を見て」(視覚)、「自分の手で書いて」(触覚、運動感覚)、「発音してその声を自分の耳で聴く」(聴覚)べきだと言うのです。

頭の中で記憶するだけでなく、身体を動かして記憶するのも有効だと書かれていました。そういえば、仏像彫刻の名前を覚える際に同じポーズをして覚えるという人がいましたね。

さて、この聴覚を利用することについて、医学博士の築山節先生は『脳が冴える15の習慣—記憶・集中・思考力を高める』のなかで、こう書いています。

音読が脳に良いというのは、最近よく言われていることですが、これは目と口の運動であるだけでなく、脳の入力→情報処理→出力という要素が連続的に含まれているからです。目で文字面を追っているだけでは理解していないこともありますが、スラスラと音読するためには、ある程度内容が理解できていなければいけません。そこに確実な脳の情報処理があります。しかも、それと同時に声に出すという出力もある。
朝のうちにこの連絡をスムーズにしておくことは、目や耳で捉えた情報をパッと理解したり、考えたことをスラスラと話したり、文章化したりすることに良い影響を与えます。スポーツにたとえて言えば、簡単な連係プレイの練習もしておくといったところでしょうか。
特に、会話の少ない環境にいる方は、ぜひ音読を習慣に採り入れてみて下さい。ただ読むだけでなく、人に聞かせるつもりで読むともっといいでしょう。

京都大教授の鎌田浩毅先生も『一生モノの勉強法—京大理系人気教授の戦略とノウハウ』で、声に出してテキストを読むことを勧めています。

まずはテキストを通読して、自分がまだ「覚えていないこと」をぐっと絞り込みます。そのうえで新しい情報を記憶する際には、まず黙読しながらテキストの内容を頭に定着させます。次に、テキストを声に出して読みます。意外と知られていませんが、自分が出した声を聴きながら耳で覚えるのが、生理学的にも最も効果的な記憶法なのです。英語でも、ヒアリングのテープを繰り返し聴くことで、フレーズを体得できます。

何をどうしゃべるのかは、人それぞれです。重要単語だけを発声するとか、参考書や教科書の文章を読み上げるとか、ノートに書かれている内容を説明するとか……。いずれにしても、時間をムダに使いすぎないように気を配りながら、取り組んでみてほしい学習法です。

明日は、そのしゃべり勉強を実践していた早稲田合格者からのアドバイスを紹介します。

メルマガ購読・解除
でるとこ攻略日本史メルマガ
読者購読規約
>> バックナンバーpowered by まぐまぐ!
 

携帯でごらんの方は、こちらからご登録ください


関連記事

受験に役立つ脳科学(3)

世間では大学入試の日本史は、暗記科目だととらえている人が大勢います。大河ドラマなどを見ている分には、暗記モノとは感じていないはずなのに、受験日本史となると違ってしまうようです。

たしかに暗記部分もあるのですが、因果関係やつながり、繰り返しなどを意識して理解すべき部分もかなり大きいのです。というより、そういう理解をしながらでなければ、到底覚えられません。受験日本史で必要とされる情報量は膨大なのです。

しかも、単純暗記が得意だった小学生時代は、とうの昔に終わっているのです。別の方法をとらなければ、記憶できないのですよ。よく授業で「日能研時代は終わったんだから、丸暗記しようなんて幻想は抱かないでください!」と言うのですが、脳科学でも高校生くらいが、丸暗記よりも理論だった経験記憶が発達する時期にあたると言います。ものごとをよく理解してその理屈を覚えていくべきなのです。

実際、丸暗記なんてレベルが低いと思いませんか?

さて、海馬の研究をされている池谷裕二先生の『最新脳科学が教える 高校生の勉強法』では、効果的な復習プランも示されていました。前回紹介した「短期記憶」を「長期記憶」に移すためには、どういうインターバルで復習するのが良いか、です。

1回目の復習=学習した翌日
2回目の復習=1回目の1週間後
3回目の復習=2回目の2週間後
4回目の復習=3回目の1か月後

とのことです。

まず肝心なのは、授業内容が短期記憶にのこっているうちに、つまり翌日までに1回目の復習をすることが何よりも大切です。児玉光雄先生の『上達の技術 一直線にうまくなるための極意』には、おもしろい実験結果が紹介されていました。

100年以上前にドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが実験したところ、記憶の47%が2日後に、75%が6日後に、そして79%が1カ月後には失われたそうなのです。児玉先生の実験でも、まったくおさらいをしなかった人は2日後には86%も忘れてしまったそうです。それに対し、10分後、6時間後、24時間後にきっちり復習した人は、忘却率がわずか7%にとどまったとのことでした。すぐ復習することの大切さがよくわかりますね。

というわけで、基本的に3回は復習する必要があるようです。(1)学習直後、(2)ちょっと間をあけた後、(3)長く間をあけた後の3回です。無理に復習の頻度を過密にしても、あまり効果は変わらないそうです。今度いつ復習するかを手帳にメモしておかないといけませんね。本気で集中して復習したら、後は寝かせておき、その間に問題演習に励むのが良いでしょう。アウトプットすることは記憶の定着に不可欠です。

ちなみに覚えるモトとなるもの(通年授業の受講生は40面ノートです)は、1つに絞り込んでください。いろんなまとめを使ってしまうと、記憶がほかの記憶に影響を与えてしまう「記憶の干渉」が起こり、逆に思い出しにくくなるからです。受験情報として信頼できる「まとめ」を1つ、ひたすら覚え込むのがベストです。

メルマガ購読・解除
でるとこ攻略日本史メルマガ
読者購読規約
>> バックナンバーpowered by まぐまぐ!
 

携帯でごらんの方は、こちらからご登録ください


関連記事

受験に役立つ脳科学(2)

『リング』・『らせん』で有名な鈴木光司という人が、『なぜ勉強するのか?』という本のなかで興味深いことを書いていました。

将来、有効となる能力とは、「理解力」「想像力」「表現力」の三つです。数学や外国語、歴史、理科など、さまざまなジャンル、要するに別角度からのアプローチを経て、この三つの力を養うのが勉強の本質なのです。
人生におけるほとんどの仕事は、この能力によってなされます。あるいは、子どもが成長して、大きな困難にぶつかったとしても、この能力が養われていれば、上手に克服することができます。

たしかにその3つに集約できるように思います。「理解力」をとってみても、今の時代は変化のスピードが速いので、社会に出てからも理解するのが遅いと、仕事にならないのです。だから、会社で「仕事がもらえない人」が生まれているんだそうです。上司から「オマエに仕事教えるくらいなら、自分でやった方が早い」って思われちゃってる人です。ちょっと怖いですね。

僕の通年授業では、理解する速さも求めます。集中力をもって授業を聴いてほしいものです。のめり込むほどに聴けば、おのずと「想像力」も使うことになるはずです。先日の「受験に役立つ脳科学(1)」にもあった通り、想像することは「海馬(かいば)」を大いに刺激するのですから、記憶が定着しやすくなるのですよ。

「海馬って何?」という疑問も湧くでしょうね。これは脳の中にある場所で、短期記憶した情報を、長期記憶に移すかどうかを仕分けするところです。ここを通過してもらわないと、2月の入試本番にいきてくれないのです。

池谷裕二先生の『最新脳科学が教える 高校生の勉強法』によれば、長期記憶に移す判定基準は「生きていくために不可欠かどうか」だそうです。受験勉強の内容が「生きていくために必要」とはとても思えないでしょうが、そこは「海馬をダマすしかない」そうです。ちょっと笑えますが、どうしても第一志望の大学に行きたいと思っている人にとっては、それほど突飛な話じゃないかもしれませんね。

池谷先生はその後にこう続けています。

海馬に必要だと認めてもらうには、できるだけ情熱を込めて、ひたすら誠実に何度も何度も繰り返し繰り返し、情報を送り続けるしかない。人間の脳は、できるだけ早く多くのことを忘れるように設計されているのだから、覚え直すほかない。

忘れても忘れてもくじけることなく、がんばって暗記をくり返しましょう。もちろん「想像」しながらね。

メルマガ購読・解除
でるとこ攻略日本史メルマガ
読者購読規約
>> バックナンバーpowered by まぐまぐ!
 

携帯でごらんの方は、こちらからご登録ください


関連記事

受験に役立つ脳科学(1)

最近、脳科学の本を読むようになりました。相変わらず入試問題研究もやり続けているのですが、効率よく学習してもらうためには、記憶・学習法についてももっと究めたいと思ったからです。直接的には、1月にお会いした大ベテランの講師の方が、「書店に並んでるような脳に関する本は、全部読んでる」っておっしゃったのを聞いたからなんですが。やっぱり頭の良い人は、たくさん本を読んでますね。難しい本なのに速く読めるというのは信じがたいです。

というわけで、今日は東大の准教授の池谷裕二先生の本から、ゴロについて書かれた部分を紹介します。

「語呂合わせ」もまた、記憶の精緻化としてしばしば用いられます。語呂合わせというと、すぐに「ゲテモノ」「邪道」「お笑い系」だと決めつける人がいますが、もちろんそんなことはありません。脳科学的にみれば、実に効率のよい、つまり脳にとっては負担の少ない暗記法なのです。ですから皆さんも気後れすることなく、堂々と語呂合わせを使って暗記しましょう。人の目を気にして恥ずかしがってこれを利用しなかったとしたら、楽して暗記ができるせっかくの機会をミスミス逃していることになります。

ところで語呂合わせを覚えるときには、言葉の音声のリズムやノリだけで覚えるのではなく、意味していることをきちんと「想像」することが大切です。そうすることによって、記憶はさらに精緻化されて補強されます。

想像するという行為は、一方で、海馬を強烈に刺激します。つまり「想像」は精緻化と海馬の活性化という二つの利点があるのです。

『最新脳科学が教える 高校生の勉強法』(東進ブックス)という本からの引用です。この本、受験勉強に直結する話がたくさん書いてあるので、これからも紹介していきたいと思っています。受験勉強を始めるあたってかなりお勧めです。

メルマガ購読・解除
でるとこ攻略日本史メルマガ
読者購読規約
>> バックナンバーpowered by まぐまぐ!
 

携帯でごらんの方は、こちらからご登録ください


関連記事