領事裁判権のおもわぬ盲点

先日、史料をよく勉強している方から質問をいただきました。流し読みせず、よく読んでみてください。

<Yさん>
日米修好通商条約の6条目の領事裁判権の文章で『亜墨利加人へ対し、法を犯したる日本人は、日本役人糺の上、日本の法度を以て罰すへし。』で日本の法で日本人が裁くと解釈できるので、どこが日本人にとって不平等なのかわかりません。

※編注:日米修好通商条約 第六条
 日本人に対し、法を犯せる亜墨利加人は、亜墨利加コンシユル裁断所にて吟味の上、亜墨利加の法度を以て罰すへし。亜墨利加人へ対し、法を犯したる日本人は、日本役人糺の上、日本の法度を以て罰すへし。

<石黒>
よくそこを読解しましたね。その点は日本に不利ではありません。不利なのはその手前にある「日本人に対し、法を犯せる亜墨利加人は、亜墨利加コンシユル裁断所にて吟味の上、亜墨利加の法度を以て罰すへし。」という部分です。これは来日しているアメリカ人が犯した犯罪を、日本の法律では裁けないことを意味します。これが日本に不利だということはわかりますよね? あえて言うと、日本人がアメリカで犯罪を犯したらアメリカの法律で裁かれます。
そしてYさんが指摘した部分は通年授業ではあえて触れませんでした。一度にそこまで説明するとついてこられない人が多いからです。それゆ冬期講習で説明します。

ちなみにこうした点も『どこでも史料問題』ではわかるようになっています。付属の音声CDの中で説明しているのです。十分味わいつくしてください。

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『どこでも史料問題』改訂版、出ます!

長らくお待たせしていました『どこでも史料問題』の改訂版が、もうすぐできあがります。旧版より収載史料を増やしたので、今回は音声を全編録音し直しました。今現在、音声編集の最終段階に来ています。早ければ今週末、遅くとも週明けには発送開始できそうです。先行申込みを受け付け致しますので、下のバナーからお申し込みください。

写真は先日登った白馬岳主稜です。いわゆるナイフリッジを歩いているところです。他の写真はFacebookに投稿しました。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

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原稿地獄と録音地獄

春期講習が終わって、ふたたび原稿地獄にもどっています。1冊で戦国時代を見渡そうという本です。全体の半分くらい書き終えましたが、締め切りまでに書き終えられるかハラハラですね。寝ていても気になっているのか、4時間半くらいで起きてしまう毎日です。

そのいっぽうで『どこでも史料問題』の音声CDを作り直しています。新たな解説を加えるだけでなく、全編再録音という、こちらも相当時間のかかる作業です。史料文は読み上げるのが難しいので、ついかんでしまうのですよ。なかなか進みません。

というわけで、何件かお問い合わせをいただいておりますが、『どこでも史料問題』の販売再開は4月下旬になるかと思います。申しわけありませんが、しばらくお待ちください。

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重版出来!『どこでも史料問題』

『どこでも史料問題』の重版が届きました! 最新の出題状況にあわせて、細部にわたって改訂いたしました。CランクからBランクに昇格した史料も、23本追加しています。ご希望の方はこちらからご注文ください

すでに旧版をお持ちの方には、昨夜サポートメールをお送りしました。当方からのお知らせが届いていない場合は、mail address までお知らせください。

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改訂版『どこでも史料問題』が出ます!

2か月前に、河合塾生から史料についての質問がありました。

<Tさん>
日本女子大を第一志望に考えています。最近第一志望に決まったので、今まで史料問題を全くやってきてません。そこで冬期講習でも横浜の日本史史料演習を取ろうか迷っています。
持ってる史料の教材は山川の「史料をよむ 日本史史料問題 分析と解説」です。これは現代語訳は載ってません。もうひとつは学校で使っている啓隆社の「口語訳付 日本史必修史料集」です。学校のは史料集なので必要ないのも乗ってると学校の先生(元予備校講師)が言っています。山川のは解いても問題数も少なめだし、なにより本女の史料問題に対応出来てるのか不安です。言ってしまうと史料問題対策の仕方がいまいちわかりません。
冬期講習で少しの時間でも授業で聞いてテクニックとかあるなら受けようかなとも思いますが、あまりむやみに色んな講座を取るのはチューターにおすすめされませんでした。どうすればいいですか?

<石黒>
冬期講習まで待つことなく、他の多くの人と同じように、通史の学習にあわせて史料問題を解くべきです。音声CDによる説明がついている当方の『どこでも史料問題』をお勧めします。学習の仕方はこちらをごらんください

この『どこでも史料問題』ですが、増刷にあたり、現在改訂中です。今月末には新装版を出せるかと思いますので、しばらくお待ちください。このブログでも、随時お知らせしていきます。

旧版をお持ちの方には、後日直接ご連絡いたします。こちらからのメールが届くよう、mail address を指定受信リストへご登録ください。

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やることが増えて復習の崩壊がはじまっています…

2学期に入ると、その週に習った範囲の復習と、1学期に扱った部分の復習を同時に進めなければなりません。この時期に勉強のリズムをもう1段階上げる必要があるため、先日もそのことに関する過去記事を再放送しました。今日は、具体的な質問が届いたので紹介します。

<Aさん>
こんばんわ。いつも石黒先生のノートには助けてもらって順調に日本史も伸びてきました。志望校は第一に早稲田の文化構想他に早稲田の文学と社会科学、青山の総合文化政策を受ける予定です。
今悩みに直面しています。それは、日本史の復習時間が充分にとれないということです。このブログの記事をいろいろ拝見して解決方法のヒントを探そうと思ったんですが、なかなか自分に合うものが見つからず、思い切って先生に相談することにしました。自分の復習方法は
近現代(その週にやった授業)
(1)ノート清書
(2)枠を自分で作って一週間で量を分けて復習
で文化史も含めて大体1週間2枚程度をしっかりと暗記しています。実はこれはさほど負担でもなくこの方法は自分の中ではベストかなと思っています。しかしここからが悩みなのです。1つは1学期範囲の復習です・・
夏休みを通して、近現代でやった方法と同様の方法で、1周はしました。(文化プリントも含めて)しかし、細かなところだんだんと忘れてしまうのです。それの対策で最初は電車の中でノートを2ページ毎日読むというのをやって、それでも本当に細かいのはなかなか定着しなかったので、ここは一念発起と、ノートを全部コピーして赤シートで隠せるように塗って、それをやることにしました。それで、先週まで丸く済んできたのですが・・・先週僕は先週資料を全然やっていないことに気づき、石黒先生の「どこでも史料問題」を始めました。(中略)
(1)朝の駅までの道の15分間聴く、(2)そしてその範囲をCDを聴きながら読む
という方法でやったのですが(2)に割く時間がなくなって週の途中で出来ない日が発生したうえに、1週間後には忘れてしまったりなかなか定着しません。さらに、どんどんどんどん他教科でやることが増えて赤シートのノートすらやる時間が追い詰められてきて2ページの予定が1ページになったり・・・とにかく復習の崩壊が始まってきています・・・
だからこの二つの事柄についてアドバイスをいただきたいです。
(1)このまま赤シートノートを続けるべきなのか(他によい効率よく細かいところまでできる方法はあるか)
(2)史料集の勉強方法でより効率よく定着できる方法はあるか。
の二点です。赤シートノートはもし他の方法が見つからなければ他教科の時間を少し削ってでもしっかり2ページやろうと思います。(中略)
国語も志望先が文学部系が多いため国語も重視されるのである程度時間を割いています。なので、日本史に割く時間がどうしても少なくなってしまいます・・・でも、絶対に日本史を怠りたくないです。もともと学校でも日本史だけはクラスで上位だったし、日本史は好きだし、なにより志望校に絶対に受かりたいからです!!(後略)

<石黒>
計画的にきっちり復習しているようで、心強いです。

>このまま赤シートノートを続けるべきなのか(他によい効率よく細かいところまでできる方法はあるか)
チェックペン勉強も始めのうちは良いのですが、いつまでも続けるのは効率が悪いです。赤シートで何回かまわしたら、脳内復元をベースにし、どうしても覚えられない部分だけをノートに印や付箋をつけるなどして、重点的に覚えていく方法に切り換えるべきです。脳内復元については、こちらの記事を参考にしてください。
「究極の最速ノート復元 歩き復元!」
習得度によって、うまく使いわけましょう。

>史料集の勉強方法でより効率よく定着できる方法はあるか。
『どこでも史料問題』も、考えて思い出せないところだけに印をつけて反復していくべきです。音声CDは、定着しきれないトラックだけを再生するように、プレーヤーで設定できないでしょうか。

短時間で効率良く進められるよう、工夫してみてください。

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どこでも史料問題でシャドーイング(再)

過去のブログエントリーを読みあさって、受験勉強について俯瞰することを提唱していますが、今日は史料問題対策に関する記事を紹介します。1学期ももう終盤ですから、前近代の既習範囲は、史料の勉強もどんどん進めていってください。その勉強法について、工夫していた人とのやりとりです。

どこでも史料問題でシャドーイング

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1学期の学習法まとめ−史料編

史料対策はとかくおろそかになりがちですが、政治史の学習と並行して進めていきましょう。

『どこでも史料問題』の「史料編」は、A~Cランク史料のうちA・Bランク史料について、入試で問われる史料の判別・語句の穴埋め・語句の意味・史料の出典を赤字でチェックできるようになっています。さらに、各史料のポイントを解説している音声CDが付属します。
「問題編」は、史料編で習得した知識の演習力を試す問題集です。34題すべてに、CDで音声解説をしています。
さらにステップアップしたい人は、「頻出史料でるとこチェック」でワンフレーズ史料判別やCランク史料に挑んでください。

以下で「史料編」のCDが試聴できます。

(携帯でごらんの方はこちらからサンプルをお聴きください。)

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「史料の勉強は、予備校のテキストで大丈夫ですか?」
「『どこでも史料問題』の改訂版」

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『どこでも史料問題−問題編−』リニューアル!

日本史の授業を受けているだけで、あまり問題を解いたことがない人だと、さまざまな落とし穴にはまります。その一つに「史料問題が解けない」という落とし穴があります。史料問題とは昔の文献を利用した問題のことで、史料文中の語句が空欄になったり、意味が問われたりするのです。定番史料の場合は、空欄の語句を書かせたりしますから、必ず対策をとっておかなければなりません。見慣れない史料の場合は、何について書かれたものなのかを読解して解くことになります。すごい問題になってくると、史料文ワンフレーズだけで何の史料かを判別しなければなりません。こうした問題を「ワンフレーズ史料判別問題」と呼んでいます。

derutoko.com では、その対策のために『どこでも史料問題』シリーズを販売しています。最初に取り組むべき教材は『どこでも史料問題−史料編−』です。音声解説のCD-ROMがついているので、ポイントがわかるだけでなく、ランダム再生することでワンフレーズ史料判別のチカラを鍛えることもできます。

史料というと「読む=見る」勉強が基本となりがちですが、空欄となる語句は、前後のフレーズとともに覚えるべきです。現代語のリード文で用語が問われる時は、さまざまなアプローチで問われるものです。だから一問一答では解けないことがままあるのですが、史料問題の場合はきまったフレーズで出されるのですよ! それならそのフレーズを耳になじませるのが、自然に覚えられるラクな勉強法ですよね?

そして、次に取り組むべき教材が『どこでも史料問題−問題編−』です。上記の史料編で養った力を、実際の入試問題を解いて確かめてみようという教材なのです。こちらにも音声解説のCD-ROMをつけました。ワセヨビでは史料を解説する授業がありますから、そうしたライブ授業の感覚を少しでも味わってほしいという狙いです。

ところで、このたび『どこでも史料問題−問題編−』をリニューアルしました。実は旧版は録音環境が稚拙で音質が悪かったのです。ご購入者から指摘を受けて録り直しを試みていたのですが、機材が良くなったり発声法が変わったりして、何度も録り直していたのです。結局、解説の台本も全編にわたって総チェックして修正をほどこし、悔いのない音声解説をつくることができました。ちょうどそのついでにテキストの表紙デザインも改めました。まあ例によって緑なんですけど、CD-ROMのデザインともあわせて、本人は結構気に入っております。よろしかったらこの機会にどうぞお求めください。


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2010年夏の日本史道場のテキストから(2)

史料問題には多数の大学で出題されている定番史料問題と、普通の受験生は見たことがない未見史料問題があります。定番史料問題は、史料問題集で備えていれば「そこそこ」正解できるでしょうが、備える箇所が間違っていると何の効果もありません。どういうことかというと、どこかの史料問題集をやったとしても、そこでは問われていない箇所が出題されることがしばしばあるからです。問題集選びは慎重に行わなければなりません。その点、当方の『どこでも史料問題』は、過去の出題データにもとづき、問われる部分を網羅しています。しかも出題率にあわせてチェックできるように作ってあります。
油断ならないのは、史料文と現代語訳がついた史料集です。もっとひどい状況になっています。その話はこちらに書きました。情報を持たない受験生はもちろん、先生方でさえも無邪気にその赤字を信じて「入試に出る」と勘違いしがちなので、注意してください。

一方、未見史料問題はどのようにして解けばよいのでしょう。基本的には「読解」です。実は設問文や選択肢にヒントがあることも多いのですが、まずは史料の読解です。必ずヒントが潜んでいます。「日本史道場」では、その未見史料対策も行います。たとえば2010年の夏の道場のテキストには、こんな問題が掲載されていました。解いてみてください。ちなみに、すぐに答えを見てしまうと、せっかくの鍛錬のチャンスを失ってしまうのでもったいないですよ。携帯でごらんの方は、答えを出してから画面をスクロールしてください。

 (ク)[永承七年]壬辰正月廿六日癸酉,千僧を大極殿に屈請し,観音経を転読せしむ。去年の冬より疾疫流行し,改年已後,弥以て熾盛なり。仍りて其の災を除かむが為なり。今年始めて(ケ)[末法]に入る。
 (永保元年)九月十三日丙申,三井寺大衆中不覊なる倫等三百人計,密々相招き,夜半(コ)[山]に登りて乱逆す。一事も報ぜず残滅せられ畢ぬ。(略)十五日戊戌,未の時,山僧数百の兵衆を引率して三井寺に行き向ふ。重ねて残る堂舎僧房等を焼き畢ぬと云ふ。
(出典『扶桑略記』)
(編注:[]で囲った部分に下線が施されています)
(1)史料の下線部(ク)「永承七年」の前年に起こった出来事は何か。次の1~4から最も適切なものを1つ選びなさい。
 1.平忠常が上総で挙兵した。
 2.安倍頼時が陸奥で挙兵した。
 3.尾張守藤原元命が暴政を郡司らに訴えられた。
 4.白河上皇が院政を開始した。
(2)史料の下線部(ケ)「末法」の思想が流行するのにともない,浄土教の信仰がひろまったが,浄土教信仰に大きな影響を与えた源信の著作は何か。次の1~4から最も適切なものを1つ選びなさい。
 1.『日本霊異記』
 2.『往生要集』
 3.『梁塵秘抄』
 4.『日本往生極楽記』
(3)史料の下線部(コ)「山」は何をさすか。次の1~4から最も適切なものを1つ選びなさい。
 1.園城寺
 2.延暦寺
 3.興福寺
 4.金剛峰寺

(さらに…)


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