入試問題高得点獲得法
●過去の偉人達

ここに早稲田大学政治経済学部の2001年度入試問題があります。実際に受験した加賀君から頂いたものですが、その正解率は89%です。
大変な高得点ですが、けっしてめずらしいことではありません。同じ入試で福田君は84%だったし、2000年度の早稲田(政経)なら、渡邉さんが87%を出しています。その年は慶應大学法学部で、川上さんが86%を出していました。さらに、2005年度の早稲田(政経)では、佐々木さんが論述を除いて
98%(1問間違い)という正解率をはじき出しました。プライバシーの問題もあるのでフルネームでの紹介は控えますが、この5人の内訳は浪人生2人・現役生3人です。要するに浪人したおかげで高得点を取ったというわけでもないのです。
●大は小をかねる?
日本史などの暗記教科だと、「大は小をかねる」と言って、やみくもに片っぱしからひたすら覚えていく人がいます。「出島の面積」を覚える人はさすがにいないかもしれませんが(3969坪です)、山川出版の
用語集の掲載用語を頭から全部覚える人は結構いるようです。でもそんなことをしていたら、英語の成績を落としてしまうんじゃないでしょうか? いや、もちろん出題されるなら覚えた方がいいんです。だけど入試問題1,000学部をさらってみても、1回出るか出ないか…そんなものを覚える気になれますか? ああ、そうです。受験生はそんな
実際の出題率なんて知らないから、とりあえず覚えておいて万が一の時に備えておくしかないんです。ああ、なんというむなしい努力…。
●入試問題を分析してみたら
というわけで、みなさんにかわって僕が調べています。だいたい毎年100学部ほどの入試問題を解き、正解をするのに必要だった用語をパソコンに入力しています。勘の鋭い人ならわかると思いますが、
用語集の頻度数も、教科書の太字も、入試問題での出題率にはまったく比例していませんでした。たとえば、山川出版の『詳説日本史』という教科書で太字となっている「粘土槨(ねんどかく)」は、ぜんぜん出題されていません。当然、授業でもやりません。逆に1999年度入試で最も出題された犬上御田鍬(いぬがみのみたすき)は、あろうことか細字です。しかも当時の教科書では、本文ではなく、脚注に書かれていました。一般の出版物と実際の入試には、結構大きなズレがあるようです。それがわかってくると、問題分析も楽しくなってきます。それこそ寝る間を惜しんでひたすら入力しました。一方で、用語集に載っている用語は、今でも知らないものがたくさんあります。
教科書の太字も無視する僕の授業を、不安に感じる生徒がいるようですが、まったく大丈夫です。むしろ「思い込み」に縛られているその生徒を不安に思います。
●どこまで覚えられる?
こんな話を知ると、「なんだ、じゃあ日本史って簡単なんだ」と思ったかもしれませんね。いや、そう甘くはいきません。なぜなら、入試では用語集や教科書に載っていないできごとも出されるうえに、いろんな用語の時期がきかれたり、用語の説明文を正誤判定させられたりするからです。
単にコトバを覚えてればいいわけではないのです。そのあたりまで踏み込んでデータベースを作っているので、政治史部門だけで
項目数は1万をゆうに越します。もっとも、そのすべてを消化する必要もありません。すべてを消化したら、僕が調べてきた問題全部で満点がとれてしまいます。それはステキなことですが、もっと英語に時間を割くべきでしょう。多すぎず少なすぎず、ちょうどいい量をやるべきです。そして、その消化の仕方はひと工夫するべきです。
●歴史の流れをビジュアル化
用語集や教科書にマーカーを引いたり、一問一答集で勉強している人を見ると不安なことがあります。そのできごとが「いつ」のことであったかが頭に残らないのではないか、という不安です。
時期を把握するためには、高い視点から歴史を広く見渡せるまとめが必要です。たとえば鎌倉時代の政治なら、左右両面見開きで完結しているノートを使った方が、全体像をつかみやすいだろうと言いたいのです。ただし、これを受験生が自分で作るのは大変です。なぜなら、まとめを作る前に全体像を把握していなければならないのに、全体像を把握するには歴史の流れを理解していなければならないからです。しかも、まとめるべき事項は入試出題状況に合致していなければ意味がない…。ここに予備校講師としての僕の仕事があると思っています。
授業では歴史の流れがひと目でわかるノートを作り上げていきます。それは単にできごとを羅列していくだけのノートではありません。歴史の全体像が見渡せ、かつ出題事項が過不足なく入っており、それでいて見開き40面にぴったり収まるノートです。
●講義の現場
予備校での授業では講義をしながら板書をしていきます。チョークは白赤黄青緑橙の6色を使うので
色ペンを持参してください。ちょっと太めの黒ペンもあるとなおよいです。これでまとめの枠やページごとのタイトルを書くと、ノートの見栄えは相当良くなります。カッコいいノートに仕上がれば、何度も開きたくなる(すなわち勉強したくなる)ものです。ノートは40枚のものでB5判、もしくはそれより少し大きいA4判のものを用意してください。A4判を使えば余白に追加情報を書き込みやすくなります。字が大きめの人にもA4判をおすすめします。
また、講義を聞きながらノートを取るというのは大変忙しい作業なので、
授業を録音できる機械を持ってくるとよいでしょう。(2012年度より、河合塾では授業の録音が禁止されました。)授業には丸暗記モノの天皇や儒学者系図などの替え歌も登場します。人に聴かせられる歌ではありませんが、録音したものを聴いて一緒に歌えば頭への定着率は抜群です。いや歌だけじゃなくて、
講義そのものを録音して聴くことは、実は記憶するのに大変有効な方法なのです。聴きながら自分でも一緒に
しゃべってしまうと、もっとよいようです。授業料に比べれば録音機など小さな投資だと思います。
●目指すは9割!
さて、最後に肝心な話です。日本史は暗記だけでは高得点は得られません。流れを理解したうえで、物事のしくみを考えて正解を導きだすことが必要です。よく高得点を取る人が「カンで解いたんですよぉ」などと謙遜して言いますが、あれを鵜呑みにしてはいけません。彼らは
「カン」という名の推測力=思考能力を使っているのです。難関大の入試には、こうした能力を発揮しなければ正解できないものが見られます。こうした問題を「こんなの知らねーよ」と言ってても高得点につながらないのはもちろんですが、逆に
「この単語も覚えなきゃ」とがんばっても、やはり高得点にはつながらないのです。なぜならそこで出された単語はもう二度と出題されず、暗記したとしても徒労に終わるだけだからです。偏差値60を取るにはひたすらパワー暗記でなんとかなります。しかし
70の壁をやぶるには用語の暗記だけでは無理なのです。歴史の流れを理解し、さらに応用する能力を養いましょう。その能力があれば周りの人より頭ひとつ飛び出た超高得点がGETできます。暗記だけでも勝負できた時代は終わりました。
単に暗記するだけの勉強は、中学受験の小学生達にやらせておいてください。
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でるとこ攻略日本史