意外と出る

細川頼之

山川出版の『日本史B用語集』には、用語ごとに教科書掲載頻度がついています。教科書18冊のうち、何冊にその用語が掲載されていたかを示しているのです。この数字は入試での出題率に直結していません。いや、何も山川出版に喧嘩売ろうっていうんじゃありません。山川出版さんが「これが出題頻度です」っておっしゃってるわけじゃないのですから。って突然敬語になってしまいました。この数字を出題頻度だと勘違いしたくなる読者が悪いのです。この「読者」には、受験生だけでなくセンセイも含まれます。世の中には、この数字をもとに「これは出るよ」ってウソついているセンセイが結構いるみたいです。みなさんはだまされていませんか?

さて、本題です。足利尊氏の孫である足利義満は、1368年、父の義詮(よしあきら)が死去するとそのあとを継いで3代目の将軍となりました。この時義満、11歳。幼少の義満を支えたのが細川頼之です。室町幕府の機構は義満の頃に整ったので、細川頼之は初代管領とされます。最近は目立たなくなりましたが、少し前まではよく出題されていました。

「これが出るだろう」という安易な予想と、本当の入試での出題状況の間には大きな溝があります。勉強時間の多くを英語にあてたい受験生にとって、効率よくおいしい日本史用語をGETすることは大変重要です。これで普通の受験生と点差をつけられれば、ワンランク上の大学に合格できます。このコーナーで紹介している「意外と出る用語」は、おいしい用語のうちのごく一部です。もっと知りたい人は、ぜひ、授業に来てみてください。

出題例

空欄の中に最も適当な語句を記入しなさい。
就任したばかりの管領(  )は幼少の義満をもりたてて、将軍の権威をたかめる方針をとった。

94年中央大(経)
解答:細川頼之

出題データ

91年國學院大(文)、92年同志社大(文)、92年京都女子大(文・家政)、94年早稲田大(社)、94年中央大(経)、94年関西大(経)、95年南山大(経)、96年日本大(文理)、96年立命館大(経営)、01年九州産業大(経ほか)。